傷つけられた市民たち
しばしば改革者と表現されるサウジアラビアの王の息子サルマン皇太子は、サウジアラビア主導のアラブ諸国連合による3年にわたるイエメンでの紛争を指揮する国防大臣という重要な役割を担っています。
アラブ諸国連合の空爆を調査するイエメンデータプロジェクトによると、イエメンは2015年3月から16,000回以上の空爆を受けています。それは90分ごとに1回の爆撃に相当します。これらの攻撃の3分の1以上は非軍事施設である商店や民家がターゲットとなりました。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、3年間で6,100人の市民が殺され、9,683人が負傷しました。これら民間人の犠牲者の61パーセントは、アラブ諸国連合によるもので、残りのほぼすべては、人口が密集している場所でのフーシ派による無差別爆撃とスナイパーによる銃撃です。
紛争はすでに危機的な人道状況をさらに悪化させました。国連によると、今日のイエメンは、世界で最も深刻な人道危機の現場です。イエメン人の5人のうち4人―2,200万人もの人々―が人道支援に頼っており、840万人が飢餓の状態にあります。ジフテリアはぶり返し、2017年にはコレラが近年で最悪の広がりをみせました。人道的な危機は、サウジアラビアによる空港や港の封鎖によってさらに悪化しています。
この紛争におけるフランスの責任
エマニュエル・マクロン大統領は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子がフランスを訪問する際のディスカッションの核心をイエメンに置くべきです。私たちは、フランス大統領がサウジアラビア皇太子に次のように要求することを求めています。
・市民を標的にした爆撃を終わりにすることと、国際人道法を尊重すること
・イエメンにおける人道支援と商品の輸送の妨害を無条件かつ永久的に解くこと
フランスはイエメンの市民の保護に関して責任があります。国連安全保障理事会の常任理事国として、サウジアラビアに対し、国際的な義務を尊重し、イエメンにおける市民を標的にした攻撃を止めるよう、強く要求しなければなりません。また、サウジアラビアへの武器輸出国として、アラブ諸国連合による重大な暴力行為の共謀のおそれに備えなければなりません。
世界の医療団フランス 国際事業部長 ジャン・フランソワ・コルティ
「フランスは人道戦略における国際人道法の尊重の必要性を再確認するときがきています。それは可変的であってはならないし、イエメンについても適用されなければなりません」
この訴えは、以下の10団体によって署名されました。
ACAT(Action des chrétiens pour l’abolition de la torture)
Action Contre la Faim
l’Alliance internationale pour la défense des droits et libertés (AIDL)
Amnesty International France
la FIDH
handicap International
Human Rights Watch
Médecins du Monde
Première Urgence Internationale
Reporters Sans Frontières