2017年は、女性の権利に関する状況の悪化と脆弱化の重い現実だけでなく、暴力、性差別、不平等に対する闘いの意思が見られたことも印象的でした。世界の医療団はこの闘いの一部にあります。女性の基本的な権利を取り戻すため、イラストレーターのエマとともに協力しています。
飲食店やバーなどにおいて・・・
“(女性の日だから)今夜、女性は無料です!”
イラストの女性:
無料、そう!
世界中のすべての女性の避妊、中絶へのアクセスをね!
“(女性の日だから)今日は、ボディケア用品が50%オフです!”
イラストの女性:
いえ!自分の身体についてまず望むことは、人生のあらゆる瞬間で自由、そして自立のもとに自分で決める権利です!
「世界各地で女性たちは常に差別の対象となっており、男性と同等に扱われることはなく、女性たちの基本的な人権は否定されたり、きまって問題になったりしています。それは単に彼女たちが女性だからなのです。この2つの作品を通して、私たちは、性、生殖能力、そして、セクシュアル・リプロダクティブヘルスのサービスへのアクセスの抑制という、女性たちが直面している非常に大きな問題を明らかにしたかったのです」世界の医療団フランスの理事長、フランソワーズ・シヴィニヨンは述べます。
今日、世界では、2億1,400万人の女性が妊娠を避けたり、先に延ばしたいと考えたりしていますが、依然として避妊へのアクセスはありません。40パーセントの女性が中絶へのアクセスが制限されている環境に生きています。しかし、自らの性や生殖能力をコントロールしている女性や女の子のほうがより健康的で、教育を続け、労働市場に参入し、公の場に参加し、子どもたちの健康や教育に投資することが証明されています。
コンゴ民主共和国、ハイチ、スリランカ、フランスなど世界のあらゆる場所で、世界の医療団は、セクシュアル・リプロダクティブヘルスのサービスへのアクセスと権利を優先課題としています。
「世界の医療団は、女性や女の子に対し、人生のそれぞれのステップで質の高いサービスを保証し、自分のことは自分で決める権利を真に行使できるよう、活動しています。この権利の行使のためにきわめて重要であるにも関わらず、若い人たちへの避妊と安全な中絶へのアクセスは、様々な場面で非常に強い反対にぶつかり続けています」と、フランソワーズ・シヴィニヨンは続けます。
女性や女の子たちの自由な選択の権利は、実質的な平等を進め、社会経済の発展の重要な柱として位置づけるため、私たち一人ひとりが動かなければならない重要な課題です。
3月8日は女性の日ではなく、切迫した事態にある女性の権利のための闘いを再確認するための重要な日なのです。これは、今日だけでなく1年を通して個人、地域、そしてグローバルな規模で追い続けていかなければいけない闘いです。
©Jelle Boone