ミャンマーから逃れてきたロヒンギャと呼ばれる人々、暴力、迫害から逃れた地においても、なお苦境に立たされ、中でも弱い立場にある女性や子どもたちのキャンプでの日常生活には、想像しがたい困難が続いています。
同じアジアで起きている難民危機、1人でも多くの方に関心を持って頂きたい、その思いをライターの望月 優大さんとともに、現場からお伝えしていきます。
■ 第1回 前編:
ロヒンギャ難民キャンプで、医療支援者が見た「耐え難い現実」|望月優大|現代ビジネス
■ 第1回 後編:
「難民キャンプにはカフェもある」地べたから見えたロヒンギャの現実|望月優大|現代ビジネス
バングラデシュで、あるロヒンギャ族の青年に会った。自分の代わりに、世界に、日本の人たちに、本当のことを伝えてほしい、そう証言を託された。
冷静に、淡々と語ってはいるものの、大学にいきたい、勉強がしたい、教育の機会が奪われる話になると彼の口調は強くなっていった。まっすぐな目でこちらをみて、なぜ僕らは教育の機会まで奪われなくてはならないのか、そう問われ、何も答えることができなかった。
NGOとして、国際社会の一員として、今の時代に生きる市民として、何ができるのか。国籍を付与することも、教育の機会を与えることも、そのいずれも叶えてあげることはできない。ミャンマーでの暮らし、あの日のこと、『国籍がない』ということ、すべてが現実に起きていることである。そして、ミャンマーには、数十万人のロヒンギャ族の人々が、今もいる。
望月優大さんが彼の思いを、言葉を、魂を込めて証言してくれた。無国籍であるということ、人権について。
遠い、想像しがたい事実ではあるけれども、青年の証言を、伝えたかったことを、一人でも多くの方に受け取ってほしい、と切に願います。
世界の医療団日本 証言活動担当 石川 尚
■ 第2回:
私が生まれた地球には、私の属する場所がない。ロヒンギャ青年の証言|望月優大|現代ビジネス
©Kazuo Koishi