世界の医療団、シリア北西部での暴力、医療施設を標的とする攻撃行為を非難

(パリ、2018年1月12日)シリア北西部のイドリブ、ハマー行政区などでは、2017年年末より情勢が悪化、世界の医療団(MdM)の活動も苦境に直面しています。
まるで終戦したかのような外交交渉が執り行われる中でも、空爆は続き、市民が殺され、病院が攻撃の標的となり、多くの市民が避難せざるをえない状況が続いています。MdMはシリア市民のこれ以上ない苦しみを終わらせるために、今、再び国際人道法の遵守を紛争当事者に呼びかけます。



以下、2018年1月年初たった1週間の間に起きた攻撃について、現地からの報告です。

1月2日
Kafr Zeita(ハマー行政区)の病院が空爆された。建物は破壊され、機能していない。

1月3日
Ma’arrat An Nu’man(イドリブ行政区)の小児科病院が爆撃を受け、4名の市民が死亡、医療従事者2名が負傷。建物は損壊、使用不可能に。

1月7日
現地NGOが支援するヘルスケアセンターが空爆の標的にされ、貯蔵施設、待合室およびワクチン接種室が損壊。

1月7日夕方
イドリブで爆発、30名が犠牲、外科医などを含めた約100名が負傷。市内の小児科、婦人科、内科を診療する医療施設も大きな被害を受ける。

シリア北西部では、連日連夜続く爆撃で数万人が避難、終わらない人道危機にMdMの現地チームは緊急医療支援活動に追われています。


MdMフランス理事長のフランソワーズ・シヴィニョンは次のように述べています。
「すべての紛争当事者に対し、早急な停戦合意、そして戦争の困難と恐怖に巻き込まれている市民の安全と保護について永続的な解決策を導き出すよう、喫緊の対応を強く要請します。国際人道法の遵守は、選択肢のひとつでは決してありません。止むことのない医療者と医療施設への攻撃に、強い憤りと深い憂慮を覚えます。どんな状況、あらゆる環境下においても、医療へのアクセス、そして市民と医療者の保護は何においても確保されなければならない、何度でも訴え続けなければなりません」

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