ハリケーン「イルマ」は、フランス領アンティルで土砂災害を引き起こした後も、カリブ海諸国に被害の爪あとを残しながら米国のフロリダ方向に進んでいます。ハイチとドミニカ共和国が統治するイスパニョーラ島の北部を通過するのは9月7日から8日頃と予測されています。
中南米最貧国のハイチを大型のハリケーン「マシュー」が襲ってからまだ1年も経っていません。「マシュー」は死者500名以上、被災者1.8万人もの被害を出し、その爪あとは今だに残っています。
「イルマ」は過去10年でも最大規模のハリケーンであると予想され、次第に勢力を増し「サファ・シンプソン・スケール」で最強となるカテゴリー5に分類されています。ハイチへの危険は迫っています。特に北西部の海岸線では時速295kmの暴風雨が予測され、時速350kmに達する突風の発生も危惧されています。
ハリケーンが現在の予測進路をたどった場合、ハイチ北西部は9月9日土曜日までに深刻な被害を受けることが予測されています。死者、負傷者、インフラの破壊、水道の汚染、農作物の壊滅、必要不可欠なサービスの中断などの被害が予測されています。
MdMは北西部の都市ポール・ドゥ・ペ、首都ポルトープランス、他7地区で支援活動を展開しており、各チームがハリケーンの襲来に備え、緊急支援活動を準備しています。医療、医薬品、医療設備についてのニーズ評価や現地の医療システムの強化のため、ハイチ国の関係省庁と緊密に連携しています。
MdMは、その活動が持続可能であること、そしてハイチの国家戦略に沿うものであること、という支援アプローチを取っています。ハリケーン「イルマ」によりハイチが被害を受けた場合もこの方針を継続します。効果的な協働とハイチ当局の当事者としての責任を尊重し、ハイチの医療者が支援の最前線に立つべく、そのサポートと強化に重点をおいた活動を行います。
※写真:2016年撮影