私たち世界の医療団(MdM)は、多くの方に紛争地帯で起きている現実を知っていただくこと、また、紛争地帯における医療・人道支援スタッフと市民の保護、そして国際人道法の徹底的な遵守を、改めて国連加盟国に向けて呼びかけることを目的として、“Targets of the World”キャンペーンを立ち上げました。
シリアでの紛争は6年にわたって続き、46万5千人が命を落とし、2016年に発生した医療施設への攻撃は338件におよんでいます。イエメンでは、無差別な爆撃によって3年の間に1万人以上の死者を出し、犠牲になったそのほとんどが一般市民でした。
戦地で、人道支援が必要とされている地で、MdMとその協働パートナーも標的にされ、攻撃対象となりました。血に染まったロゴは、決してあってはならないこのスパイラルを糾弾し、「標的」にはなりたくない、なってはならない、私たちの意志を示しています。
支援が必要とされる地で、私たち人道支援団体が安全に活動できるよう、どうかご署名と拡散にご協力ください。
いただいたご署名は世界の医療団フランスより、国連に提出させていただく予定です。
そこに治療や手当てを必要とする人がいれば、治療するのが医療者の使命です。「医療従事者は、中立の立場でなくてはならない、医療施設は保護されなくてはならない、決して意図的な攻撃の対象になることがあってはなりません。今日、国際人道法は甚だしく侵害されています。「医療」は戦争行為ではありません」
世界の医療団フランス理事長 フランソワーズ・シヴィニョン
2016年5月3日には、国連安全保障理事会において負傷者、患者、医療従事者、人道支援関係者、そして医療施設を標的とする暴力行為、攻撃や脅威を強く非難する決議が採択されたにも関わらず、現在もそれら非人道的行為は止みません。空約束で終わらせず、国際社会はその履行責任を果たすべきです。
2016年6月15日には、イエメンの紛争当事者に対し、医療従事者と医療施設の保護と人道法遵守を徹底するよう求める勧告を行いました。「言葉だけで終わらせないでください。迅速な履行を要請します。」
MdMは国連加盟国に対し、以下の事項の速やかな対応を要請します。
・医療従事者と医療施設の保護、国連安保理決議第2286の履行
・ジュネーブ条約に基づく文民の保護の徹底
・医療従事者と医療施設を標的とする一切の攻撃停止に向けた取組みの推進
医療者が闘うのは、命を救うときです。
©MdM Japan