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- 国連7回目の調停交渉 スイス・ジュネーブ 2017/7/10
シリアでの紛争は7年目に突入し、民間人が標的にされ避難民になるその数は、第二次世界大戦以降最大となっています。
国連によると、1,350万人が人道援助を必要とし、 このうち630万人がシリア国内に避難、460万人が僻地に移動、それでも身の安全は脅かされています。医療、水、食料などのアクセス、基本的人権は完全に侵害されています。 人道支援団体による支援は制限され、緊急医療支援を行うこともままなりません。現地は惨状を極め、犠牲者数は増え続けています。「人道アクセスの確保がMdM、他の支援団体にとって大前提であり、支援側の安全が保障されなければ紛争の地にいるシリア市民に治療を行うことができません。」MdMフランス理事長のフランソワ・シヴィニョンは話します。
苦境のなか、MdMとパートナー団体は年初からシリア国内で30万件超、避難民がいる近隣諸国では15万件の診察を行ってきました。
紛争がシリアの医療サービスに与えた影響は、はかりしれないものでした。紛争によって、シリア国民の60%が身体的もしくは精神的影響を受けています。医療施設の破壊、医薬品の供給が滞り、医療が提供できない状況そのものが武器と化し、人々を苦しめます。477の医療施設が標的になり*¹、プライマリ・ヘルスケアの提供は不可能となりました*²。国内の半分以上の医療施設が破壊され、2011年3月から2017年5月までの間、820人の医療者が紛争によって命を落としました。紛争当事者・関係者がまず行わなければならないことは、それはかろうじて機能する医療施設を守ること、そして命をかけてこの紛争地で、標的とされる病院で、治療を続ける医療者たちを守ることです。
シリアの惨たる状況について、MdMは参加国、紛争当事者に対し、開催中の、また開催される和平に関する協議にて、以下の項目についての決議を求めます。
- 医療施設や医療従事者の保護、そのための国際的人道法の遵守
- 支援団体による人道的支援の提供とその保護、人道回廊の設置と保護
- シリア国内およびその周辺国の避難民への医療サービス提供
- 緊張緩和地帯に関する合意事項の見直し、市民がいかなる外的攻撃を受けることのない安全を最優先としたものへ。イニシアティブは全ての関係者と紛争当事者による同意が不可欠であり、また国連をはじめとする調停機関は、紛争当事者による決議事項の実行義務と履行責任、また条約遵守がなされない場合の罰則を明確に明示すること。
*¹ Physicians for Human Rights. 2017年5月現在
*² 紛争下の医療従事者及び医療施設の保護に関する決議第2286号の決議がなされたにも関わらず、2016年136の医療施設が攻撃の対象となった