遠路やって来た私たちチームが病院に到着すると、地元病院のスタッフ一同、狭い廊下で診察・手術を待つ患者とその家族たち、たくさんの人が出迎えてくれました。
初日の診察には30名弱が訪れ、遠方から更に20名ほどがこちらに向かっています。日本から派遣された形成外科医、麻酔科医が手術の可否、術式や安全に麻酔がかけられるかどうかなど話し合いながら、一人ひとり丁寧に診察を続けていきます。
首から腕、指先まで火傷を負い、その痕が引きつれ固まってしまった6歳の男の子がいました。手術では拘縮部分を切除、皮膚緊張を解き健康な皮膚を移植し成長に伴う引きつれを軽減させることを試みます。
生後6ヶ月、1年、2年の乳幼児は、口唇裂・口蓋裂の手術を受けることになりました。
また、小耳症を患う21歳の女性の手術が決まった時、付き添う母親が涙を流し嗚咽しました。肋軟骨からの移植を伴う手術です。手術を受けることができないかもしれないという不安に襲われる患者や家族。涙の理由は、やっと娘に手術を受けさせてあげられるというその思いからでした。
今回のミッションで手術を受けより良い人生を新たに歩みだすことのできる患者は、手術を必要としながらも受けることができない、そんなミャンマーの何千、何万の人々のうちの一握りでしかないかもしれません。
しかし、ここで出会った一人ひとりに出来うる限りの手術と診療を行いこの先の人生がより豊かになることを目指し、また現地の外科医らに技術を伝え一人でも多くの患者に治療がなされることを目指し、今日からのミッションを安全第一に進めていきます。
第10回スマイル作戦ミャンマー
活動地:ミャンマー・マンダレー総合病院
日程:2017年6月25日~7月1日
派遣ボランティア:
森岡大地、寺島左和子(形成外科医)
岡田朋子、山田美紀(麻酔科医)
辻之内幸恵(看護師)