独自のアートの探求に取り組んできた10代の若者と青年男女を含む12名の難民・避難民が、その体験と作品を、世界の医療団と協働パートナー団体「Solidarity Now」の支援を受け特別に開催されるアート展で共有します。
“Refugee Expressive Art exhibition”(難民たちの表現豊かなアート展)プロジェクトは、ギリシャ北部で活動する世界の医療団のPSSアクター(Solidarity NowのBlue Refugee Centreと共同)の発案によるもので、ギリシャ北部にある複数の難民キャンプの難民により展開された創作・芸術作品をサポート、奨励、普及させるためのものです。
自分自身とその体験を結び付け、自分たちとコミュニティとの間に架け橋を築きあげ、そして、創造性と変化の推進力となるために、自分の声を芸術を通して世の中に伝えたいと願う避難民と難民に参加が呼びかけられました。
現在、ギリシャ北部の難民は、非常に困難な生活条件に身を置いています。その理由には、もっとも基本的なニーズへのアクセスもままならないことが稀ではないということもありますが、特に大きな要因となっているのは、喪失感と、将来の不確実性に伴い増大する不安やストレス、そして明確な情報へのアクセスの欠如です。
こうした状況のなか、世界の医療団は、情熱、選択、ときには絶望から、あるいはその苦境が理由で何ヶ月にもわたり何もできずにいる空白の期間を埋めるために、言葉、色、線、音、そして何よりも自分の想像力に訴えて、日々立ちはだかる逆境に立ち向かう数多くの子供、女性、男性、若者に出会いました。詩、絵画、舞踊、自身から沸き起こる絵や物語を通して、彼らは、自分と他者にとって「耐えられる」形でその経験を保持できる形を探し求め、見つけていきます。
このように、今回のアート展は、芸術的な才能だけでなく、とりわけ、難民それぞれにみられる変容過程を映す創造的芸術の公開を促すものでもあるのです。
「難民の表現豊かなアート展」は、ギリシャ北部の難民コミュニティのアーティストを招いたコミュニティ・エンパワーメントプロジェクトであり、アート展を開催し、作品をとおしてメッセージを発表します。
このプロセスには、アート展開催に至るまで、さまざまな難民アーティスト同士のミーティングやワーキンググループが含まれます。参加者は、プロジェクトのオーナーシップを確保するために、各アーティストのアート作品の選択から実際の展覧会の実施まで、展覧会のプロセスを設計する各ステップに関わっています。
この展覧会は3月29日と31日にギリシャ・テッサロニキ、4月初旬から2週間にわたりSolidarity NowのBlue Refugee Centreで開催されました。