非医療者でありながら、ボランティアとして参加するようになって3年半。
今では医療相談会の運営そのものや調整などの業務を担う欠かせない存在に。
医療ボランティアの後ろにはいつも森さんがいます。
ボランティアに参加したきっかけ
「子どもの頃から医療や国際協力の仕事に興味があって、学生時代はボリビアの貧困地区でのボランティアなどを体験しました。現在は食品開発の仕事をしていますが、医療やボランティアの興味は捨てきれないながらも、何かできることはないかと機会を探していました。そういった中で、看護師の知人から「ハウジングファースト東京プロジェクト」の話を聞き、参加するようになりました。」
活動に参加してまず感じたこと
「まず視点が変わりました。日本にも貧困があること、それを知らずにいました。遠い世界だった貧困は自分にも起きうる事、そして身近な問題として捉えるようになりました。それから最初に感動したのが、活動に参加する医療者たちが相談者に向き合う時の手先です。見ているだけで優しさを感じ、病院では感じることのない温かみがその手から伝わってきました。それは利益や時間を抜きにした純粋な人とのふれあい、医療の真髄をみた気がしました。」
変化したこと
「あまりそういうことをしない性格でしたが、この活動について周囲に伝えることや話す機会が増えました。貧困問題やこういった活動に否定的な意見を持つ人もいます。でも議論の場が生まれることで、一人また一人と貧困について知る人が増えます。自分を通して関心を持ってくれる人がいること、それがうれしかった。」
「最後までお会いすることはなかったけれど、印象的だった当事者の方がいます。重い病を抱えられて、こころにも深い傷を負っている方で、誰にもこころを開くことはありませんでした。亡くなる直前にその方が発した言葉は「自分の人生はだまされてばっかりだったけど、だまされる側にならなくてよかった」最後の最後に支援者の方にそう話したそうです。きっと誰かを許すことができて、旅立っていかれたのだと思います。その言葉に気づかされることがたくさんありました。私はその方にお会いすることはありませんでしたが、人は生きているだけで、誰かに影響を与えることができる、そう思いました。」
活動を続ける理由
「月並みですが、、、私にもできることがある、少しでも役に立つことがある、でしょうか。ここは気を張り詰めることのなしにいられる自分の大切な居場所になりました。最初にあの手を見たからこそ、自分の今があるんだと思います。」