「光の家」は、ロシア・サンクトペテルブルグにある小児病院での撮影された作品群。患者の子どもたち、そしてこの病院にて終末期にある子どもたちに光を照らし続け、その家族に寄り添うために最善を尽くす人々が表現されています。
第20回を迎えた今年のコンクールには、世界45カ国から270人の写真家たちが作品を競いました。 今回のストロイテレフ氏の受賞は、これら写真を撮影するまでに築かれたストロイテレフ氏と家族との信頼関係、繊細かつ独特な表現性、そして慎重に取り扱われるべき題材に対し十分な配慮と尊重のもと誌的な感性で仕上げられた作品たちが高く評価されたことによるものです。
そのほか3名がファイナリストとして最終選考に残りました。
スペインの写真家セサル・パストル・カストロ氏(César Pastor Castro)の17万5千人に1人といわれる難病`”ハーラー症候群”の7歳の少年ナチョくんとその家族の日常を追った作品「ハーラー症候群、ウトリージャの偉大な方程式」
アルゼンチンの写真家パブロ・E・ピオヴァノ氏(Pablo E. Piovano)の「Agrotoxinsの犠牲者たち」は、20年にわたるグリホサートなどの農薬の大量散布によって、先天異常やガンなどの深刻な健康被害を被った住民たちの姿を映しています。
ドイツの写真家トビー・バインダー氏の作品「平和村とその子供たち」では、紛争国から治療を受けるためにドイツに到着した子どもたちの姿がおさめられています。ドイツ国際平和村では1967年より、紛争によって傷を負った子どもたちの受入れと支援活動を行っています。
ルイス・ヴァルチュエナ人道写真国際賞コンクールについて
ルイス・ヴァルチュエナ人道写真国際賞コンクールは、1997年に人道活動中にルワンダで命を落とした4人の人道活動家たち:メルセデス・ナバロ(Mercedes Navarro)、フロールス・シェラ(Flors Sirera)、マニュエル・マドラソ(Manuel Madrazo)、ルイス・ヴァルチュエナ(Luis Valtueña)を偲び、世界の医療団スペインが毎年開催する写真コンクールです。4人の仲間が示した人道主義の精神、献身、そして連帯は今やこの賞の核心とも言うべき価値観となりました。そして、世界の医療団の人道援助活動の使命半ばにして、尊い命を絶たれたプロの写真家でもあったルイス・ヴァルチュエナの名前がつけられました。19回の開催を経て、入賞作品は人道写真、そして人権侵害を訴える一枚として、大きく知られるようになりました。ルイス・ヴァルチュエナ
1966年マドリッド生まれ。1998-1990年エル ムンド誌のフォトジャーナリストとして活躍し、その後TV局「アンテナ3」のフォト部門の主任を務め、雑誌「FV.Actualidad」の編集チームに加わりました。1996年から世界の医療団スペインのロジスティクス・オフィサーとして活動を開始、爆撃による犠牲者を支援するためレバノンに向かいました。その1年後ルワンダで活動中に命を落としました。。世界の医療団スペインホームページ
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