ハイチはハリケーンに慣れている土地柄で、今回も住民が対策や準備を怠たることは決してありませんでした。「マシュー」は、全てにおいてその想定を超える巨大なハリケーンでした。
道路はまだ復旧に至らず、特にグランダンセと南部については空路でのみアクセスが可能な状態が続いています。通信は寸断され、多くの住民が孤立し、助けを待っています。学校などの公共施設をはじめ、病院などの医療機関も全壊するなど大きな被害を受け、機能していません。
今、私たちがもっとも懸念するのがコレラの感染拡大です。安全な飲料水の確保と衛生設備へのアクセスを早急に整えなくてはなりません。コレラは、迅速かつ適切な処置治療が生死をわけるといっても過言ではありません。体力のない子どもや高齢者は重症化しやすいため、一刻も早い対策と治療活動が必要とされています。
また、マラリア、デング熱、チクングニア、ジカウイルスなどこれら感染症の蔓延防止対策が急務とされています。
世界の医療団の緊急支援
グランダンセ
世界の医療団は国境なき医師団、ACTEDなどの支援団体とともにモバイルユニットを設営、医師、看護師、衛生の専門家などからなるモバイルチームを派遣し、医療支援を行っています。
またコレラ治療センターでは治療のほか、保健衛生に関する助言などを含めた支援活動にもあたっています。
南部
コレラの罹患者への治療のほか、感染拡大を防止するため、ハイチ保健省への支援のほか、コレラ対策に特化した緊急医療支援活動を実施しています。
その他地域
他パートナーと協働しながら、被災地のモニタリング、現地保健省、衛生局などから要請に基づいて移動診療を提供するほか、感染症対策、栄養失調対策などの活動をおこなっています。
被災地全域において、衛生キット、小児医療キット、産科医療キット、感染症対策キット、飲料水、食料、医薬品などの提供を行っています。