ハリケーンは、ハイチ南部及び西部に位置するグランダンス、レカイ、ジェレミー地方を直撃しました。世界の医療団は1989年より同地域に介入しており、被災時は47名からなるチームでリプロダクティブ・ヘルスとコレラ予防のプロジェクトを実施していました。
最初の公式報告によると、このハリケーンによる犠牲者は6名と伝えられていましたが、未だ被害の全貌は見えておらず、死者数は増えていくと思われます。洪水や地すべり等により住宅や学校などインフラは破壊され、レカイに繋がる唯一の道であるプティゴアーブ橋は倒壊、ハイチ南部地方が孤立状態となっています。
世界の医療団の現地チームは、2010年の大地震から未だ復興の途上にある脆弱な医療施設への影響を懸念しています。ハイチの人々の多くは限られた医療しか受けられない状況にあり、農村部の住人の約6割は全く医療を受けられません。ハリケーンによる被害の詳細は調査中ですが、多くの医療施設が被害を受けたのは明らかです。
また、世界の医療団は2010年の大地震からコレラ対策を実施していますが、今回のハリケーンの影響で再び流行することを危惧しています。コレラの患者数は年々増加しており、2015年は3万8千人、2016年は5万人を超えていることから、コレラに対する緊急プログラムを強化してきました。
現在、世界の医療団はハイチの保健機関と連携し緊急支援を開始しており、最も被害が甚大であった地域に医療器具と必要品を供給しています。また、国連からの情報によると、約1万人の妊婦が危険な地域に残されており、特に母子の健康に関する取り組みに力を入れて実施していきます。
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