世界の医療団ギリシャ、母子支援活動を拡大

世界の医療団は、ギリシャに滞在する約8,400人の妊産婦や新生児に無償で医療を提供するプログラムを開始します。

世界の医療団ギリシャ、母子支援活動を拡大
「マザー&チャイルド」プログラムは、世界中の母子保健と医療アクセスの向上を目的とする国際的なプログラムであり、これまで世界の医療団がギリシャでサポートしてきた女性支援のプログラムを今後2年かけて更に拡大、支援を強化していくものです。

二重の危機を抱えたギリシャにおいて、出産・育児環境は日々厳しくなっています。貧しさゆえに、妊婦や新生児が医療を受けることができないだけではなく、国内ではシングルマザー率が増加しています。Euとトルコによる難民危機に対する条約合意がなされてからというもの推定約6万人の女性がギリシャで滞留しており、事態は悪化の一途を辿っています。

「このプログラムにより、医療が届かない地域の、難民、移民、医療アクセスを持たないすべてのギリシャの女性に、より質のよい医療サービスを届けることが可能になります。」
世界の医療団ギリシャ理事長のニキータス・カナキスは説明します。

世界の医療団ギリシャ副理事長であり、プロジェクト創設者でもあるエロ・バルサミは「このプログラムの意義は単に命を救うということだけでなく、私たちが果たすべき社会的責任のひとつでもあるのです。」と話しています。

また、家族計画の普及啓発を目的とする医療スタッフ向けのeラーニングトレーニングを実施、このプログラムによって世界の医療団ギリシャの固定クリニック(アテネ、ペラマ、パトラ、テッサロニキ、ハニア、カバラ、今秋オープンするピラウス)と移動クリニックを始めとする世界の医療団ギリシャのインフラが強化されます。

世界の医療団ギリシャ、母子支援活動を拡大

地域の専門家、そしてグローバル・パートナー


「マザー&チャイルド」プログラムは、世界的な製薬会社MSDが設立した「MSD for Mothers 」 プロジェクトのひとつとして、運営・サポートされています。MSDは5千万米ドルを投じ、世界各地で妊産婦と新生児の命を救う支援活動に取り組んでいます。

「2分間に1人の女性が妊娠・出産時の合併症で命を落としています。これらはすべて守ることができるはずの命なのです。1人の母親の死は、その地域全体に不安の連鎖をもたらします。欧州では、毎年千人を超える女性が出産・妊娠による合併症で命を落としています。この地でこのプログラムの実施が叶うとは夢にも思っていませんでしたが、実際のところこれらニーズに政治的、地理的な境界線はないのです。」

「この人道危機のなか、市民社会と政府のパートナーシップはもちろんのこと、世界の医療団ギリシャの専門性とプロジェクトへのコミットメントに深く感銘を受けました。」とMSD for Mothersプロジェクトの総責任者であるナヴィーン・ラオ氏は語っています。

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