医療施設への攻撃は、現在も止むことはありません。先週末にかけ行われた9回の砲撃は、小児科を含む6つの病院、2台の救急車、血液銀行を部分的もしくは完全に破壊しました。生後まもない乳児が犠牲になったとも報告されています。
保護されるべきはずの医療施設が攻撃対象となり、爆撃され、新たな犠牲者が生まれる
―この状況下で、一体どう治療活動を行っていけばいいのでしょうか?
現在、アレッポの東部は政権軍により完全包囲されており、幾度となくこの紛争の犠牲に晒されている一般市民がまたもその犠牲になっています。住民たちは医薬品はおろか、生活必需品を手に入れることさえほとんど不可能であり、そして私たち人道支援団体が支援を届けにいくことができないほど、危険かつ極めて困難な状況に陥ってしまいました。これまで唯一生活必需品へのアクセスを可能にし、街からの脱出口となっていたカステロ・ロードと呼ばれる道さえも、とうとう封鎖されてしまいました。そしてこの完全包囲された地域では、20~30万人もの人々が支援にありつけず孤立しているのです。
この状況から、世界の医療団は一刻も早く封鎖解除がなされるよう国際社会に働きかけ、また、今後の人道支援活動と包囲網に囚われた市民の救出、避難の後押しを求め、永続的な停戦協定が速やかに締結されることを強く訴えてまいります。
すべての医療施設と医療従事者、患者は、保護され、決して攻撃の対象であってはならない
-国際人道法のもとに、世界の医療団は改めて医療に携わるあらゆるものの保護を訴え続けます。
世界の医療団はこれまで、シリア北部において崩壊した医療インフラを補うための医療者派遣や移動診療の実施、イドリブ行政区ではプライマリーヘルスケアの提供などの活動を行ってきました。また、現地医療機関の医療スタッフの人件費の負担、アレッポとダルアー内の医療機関や医療センターなどに医薬品、医療機器、また著しく不足する消耗品などを提供しています。
世界の医療団と協働パートナーは現在、アレッポ市内の8ヵ所の医療施設で医療支援活動を行っています。