ミャンマーは約5,200万人もの人口を擁しているにもかかわらず、形成外科医は全国に数名しかいないとも言われ、同分野の医療人材が圧倒的に不足している状況が続いています。世界の医療団が2012年と2013年に日本から形成外科医らを現地に派遣し行った事前調査では、形成外科医の不足から、口唇裂、口蓋裂、熱傷後瘢痕拘縮などの手術を必要としている多くの患者が手術を受けられないままの状態でいることがわかりました。近年、世界の医療団をはじめとする国外の団体とミャンマー国保健省や現地の主要な病院との協働により、形成外科手術を受ける機会の提供や人材育成の試みが少しずつ広がりつつあります。しかし、ミャンマー国内の形成外科の知識と技術を有した医療人材が育ち、彼・彼女のみによって手術が行えるようになるためには、更なる支援の継続が必要とされています。
今回、日本からスマイル作戦に参加する医療ボランティア5名、コーディネータ1名は6月26日未明に羽田空港を出発し、ミャンマー国内での陸路移動などを経て、同日昼過ぎにネピドー総合病院に到着、事前診察を行いました。翌6月27日から手術を開始し、7月2日まで現地で手術・診察を実施する予定です。
民主的な総選挙を経て新政権が樹立され、一層の経済発展と民主化が期待されるミャンマーですが、形成外科を含む医療分野ではまだまだ発展の余地があります。世界の医療団は、現地の限られた医療環境の中で患者一人一人と向き合い、患者やその家族など少しでも多くの人々に笑顔(スマイル)を取り戻すべく全力を尽くしてまいります。同時に、手術をとおして現地の医療関係者への技術の伝達にも努め、ミャンマーの中長期的な医療の発展、自立支援にも貢献してまいります。
皆様の温かなご支援に感謝するとともに、どうか引き続きミャンマーで活動するボランティアへの応援をお願いいたします。
帰国後、あらためて本ページにて活動報告を行います。
スマイル作戦 ミャンマー
■活動地 :ミャンマー・ネピドー
■活動病院 :ネピドー総合病院
■日程 :2016年6月26日〜7月2日
■派遣ボランティア:
森岡 大地、江口 智明(形成外科医)
阿久津 麗香、本間 康浩(麻酔科医)
石原 恵(看護師)
写真上:
バンコクの空港で撮影。左から、本間康浩麻酔科医、阿久津麗香麻酔科医、石原恵看護師、江口智明形成外科医、森岡大地形成外科医
写真下:
ネピドー総合病院での事前診察の様子