難民・移民への連帯を求めた市民の声は、非常に残念ながら、各国の政策決定者に聞き入れられることはありませんでした。欧州全域で難民・移民を受け入れる案が同意に至らなかったばかりか、真っ向から反する案が採択されたのです。選択の自由と基本的人権を踏みにじるEUとトルコ間でなされた合意です。
EU-トルコ間の合意がなされた後、数々の難民支援センターが閉鎖されましたが、世界の医療団はこれに遺憾の意を示すと共に、今後も医療支援を継続することを決定しました。付き添いのない単身の未成年を特に対象とし、彼らのおかれた状況を証言し続けます。また、保護ではなく、排外することに対しても強く反対します。
世界の医療団理事長代表団は、イドメニで活動する世界の医療団の支援チームと難民の患者と話し合いを行った結果、以下の点について強く訴えます。
– 確認されている難民のうち約40%が子どもという満足な新たな状況に直面している。子どもたちは、衛生設備、学校、予防接種キャンペーンなどがない、生育に全く適さない環境下で生活を送っている。
– 今、難民キャンプでは、軍のヘリコプターや飛行機が大騒音をたてながら、人々の頭上を低空飛行している。子どもたちは逃れてきた祖国での悪夢に引き戻される。新たな暴力に直面しながらも、今日も人々は生き延びている。恐怖、涙、そしてよみがえるトラウマ。一体なんのために?威嚇か?
– 難民キャンプで最も犠牲になるのは、子どもたち、妊婦、障がいや精神障がいを抱えた人々など様々な弱者である。国際的な水準に見合った衛生設備、食料、生活環境、予防接種に関する方針、そしてのまた別の暴力の危険にさらされる女性を保護するスペースの確保など、早急な対応が必要とされている。
– 私たちは、危険な国から欧州諸国への移動が安全かつ合法となること、人道的な受け入れ体制(特に子どもに対し)が整備されることを求めます。難民・移民は私たち皆の前にある共有の未来の構成員である。
– 難民・移民の安全と連帯をベースにした政治的対応に改めることを要求します。
テッサロニキに集結した世界の医療団事務局:
ベルギー、ドイツ、スイス、オランダ、イギリス、フランス、ポルトガル、スペイン