現在の危機は、繰り返される干ばつや紛争、その結果引き起こされた人口の移動、政情不安などによるものです。 「これは緊急事態です。4カ国で少なくとも2,000万人の人々が苦しんでおり、支援を受けるのも難しい状況にあります」と世界の医療団理事長のフランソワ・シビニョンは説明します。
「この危機に対する警告は数か月前に出されましたが、紛争の政治的解決策が見つからない限り、栄養危機のリスクは増加するでしょう。 我々は、国際社会の外交的かつ資金的な動員を呼びかけます」と世界の医療団国際事業部のジャン・フランソワ・コルティは言います。
アフリカ・中東 栄養危機に対する世界の医療団の活動地は、下記のGoogle mapからご覧いただけます。
活動の詳細―ソマリア―
活動地
ボサソ(Bosaso)の港町とボサソ地区の5つの村(Laag、KAvin、Talho、Kalabeyr、Qow)で活動しています。 ボサソ地区は、半自治地区プントランド(Puntland)に属するバリ(Bari)州の一部です。
現地の状況
ソマリアの人道状況は破滅的な状況に直面しており、26万人が死亡したソマリアの2011年の悲劇的な飢饉と酷似しているとの懸念が高まっています。
現在、人口の半分以上にもなる推定620万人もの人々が急性食糧不足に直面しており、深刻な栄養失調の子どもたちが増えています。
人口と農業活動は水の使用と配給に影響を及ぼします。気候は雨をもたらしますが、気候は変化しています。この30年間で気候が暖かくなったため、長雨が着実に減少しています。
ソマリアでは、安全保障と政治的背景も非常に複雑です。武力紛争は何年も続いており、人口の持続的な経済発展へのアクセスを妨げているだけでなく、飢餓を防ぐために援助機関が支援を提供することも困難です。
620万人が支援を必要としている(全人口の半分以上)
290万人が深刻な食糧不足にある(IPC*フェーズ3 :危機と4 :緊急)
599,000 人が干ばつのために国内避難した(2016年11月~2017年4月14日現在)
28,408例の急性水様性下痢/コレラにより558人が死亡した
*IPC=総合的食料安全保障レベル分類 /Integrated Food Security Phase Classification
私たちの活動
2012年、ボサソ地区の避難民に医療サービスと栄養学を組み合わせたサービスを提供するため、現地パートナーとの活動を開始しました。
現在、緊急事態への対応のため強化された世界の医療団は、下記のサポートをしています。
- ボサソの総合病院内のスタビライゼーションセンター1つ
- ボサソにある8つの医療施設
- ボサソの5つの村における5つの主要なヘルスケアユニット
- ボサソの市街地と郊外を移動する2つのモバイル栄養チーム/2つのモバイル健康チーム
8つの医療施設と総合病院では、世界の医療団が栄養失調の治療をサポートしています。
世界の医療団は総合病院のスタビライゼーションセンターの医療スタッフを強化しています。私たちは、栄養失調の子どもたちのケアをしますが、病院に入院している子どもたちの母親や親戚にも毎日の食事を提供しています。母親や親戚のほとんどは、非常に遠く離れた場所から子どもたちを連れて来ており、ボサソ市内に滞在するだけの余裕はありません。 私たちは、子どもたちが治療を受けている間、彼らに食事と一時的な滞在施設を提供しています。
4人または5人で構成されるモバイルチームは、医療施設から遠く離れた避難民のキャンプや周辺地域にも赴きます。
モバイルチームは次のような活動を行っています
- 5歳未満の子供の栄養失調診断
- 急性下痢の診断
- 栄養失調の子どもや急性下痢の治療
- 子どもが重度または中等度の急性栄養失調に苦しんでいて、医療上の合併症がない場合、現場でサポートを提供
- 子どもが重度の急性栄養失調に苦しんでいて、医療上の合併症を患っており、入院が必要な場合は、ボサソの中央病院へ紹介
- 地域の保健医療従事者を訓練
活動の成果(2017年4月1日~21日)
- 4,976人の子どもたち(5歳未満)を診察
- 38人の重度の栄養失調や合併症のある子どもがMdMのスタビライゼーションセンター(総合病院)を利用
- 77人の重度の栄養失調の子どもたちを治療
- 583例の急性水様性下痢を治療
- 20人の保健医療従事者に対し下痢やコレラに対する予防と衛生管理の訓練
ソマリアへの医療支援を強化するために
皆様のご支援でできること
5,000円=重度の栄養失調の子どもたちの治療費10人分
6,500円=栄養失調の治療に有効なプランピーナッツ(栄養治療食)1箱分
12,000円=周辺農村部での治療に赴くモバイルチームが使う車両の燃料代等1日分
< ご支援はこちらから >
世界の医療団へ直接の寄付
Tポイントによる寄付
スマホからの寄付
あたたかいご支援をお願いいたします。