ミャンマーでは、約5,200万人もの人口に対し、形成外科医は3名しかいないとも言われており、世界の医療団が2012年と2013年に日本から形成外科医らを現地に派遣し行った事前調査では、形成外科医の不足から、口唇裂、口蓋裂、熱傷後瘢痕拘縮などの手術を必要としている多くの患者が手術を受けられないままの状態でいることがわかりました。今回のミッションの実施先となるマンダレー総合病院は、ミャンマー国内で独立した形成外科部門を有する数少ない病院の一つです。近年、世界の医療団をはじめとする国外の団体とマンダレー総合病院など現地の病院との協働により、形成外科手術を受ける機会の提供や人材育成の試みが少しずつ広がりつつあります。しかし、ミャンマー国内の形成外科の知識と技術を有した医療人材が育ち、彼・彼女のみによって手術が行えるようになるためには、更なる支援の継続が必要とされています。
今回、日本からスマイル作戦に参加する医療ボランティア3名、コーディネーター2名は2月28日未明に羽田空港を出発しました。その後、経由地のバンコク・スワンナプーム空港でフランスから参加するボランティア2名と合流し、同日昼過ぎにミャンマー・マンダレー国際空港に到着しました。到着後、市の中心部に位置するマンダレー総合病院に移動し、診察を開始します。手術・診察は、2月28日から3月4日まで行われる予定です。
総選挙を経て政権交代も平和裏に進む中、一層の経済発展と民主化が期待されるミャンマーですが、形成外科を含む医療分野ではまだまだ発展の余地があります。世界の医療団は、現地の限られた医療環境の中で患者一人一人と向き合い、患者やその家族など少しでも多くの人々に笑顔(スマイル)を取り戻すべく全力を尽くしてまいります。同時に、手術をとおして現地の医療関係者への技術の伝達にも努め、ミャンマーの中長期的な医療の発展、自立支援にも貢献してまいります。
皆様の温かなご支援に感謝するとともに、どうか引き続きミャンマーで活動するボランティアへの応援をお願いいたします。
帰国後、あらためて本ページにて活動報告を行います。
スマイル作戦 ミャンマー
■活動地 :ミャンマー・マンダレー
■活動病院 :マンダレー総合病院
■日程 :2016年2月28日〜3月4日
■派遣ボランティア:
与座 聰、吉村 圭(形成外科医)
Bruno Dartayet、Nadia Smail(麻酔科医)
辻之内 幸恵(看護師)
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