軍事的な策での解決はありません。
米国をはじめサウジ連合軍を支援する諸国が武力に頼らず、政治的手腕を用いて紛争解決に導いていくこと、そして至急の人道支援アクセスの確保を強く要請します。
ホデイダ港は、餓死寸前のイエメン住民にとって、命を左右する生命線です。
イエメンは食料、医薬品、燃料のほとんどを輸入に頼っており、その80%がホデイダ港を経由して輸入されてきました。ホデイダ港を攻撃することは、必需品や支援物資を含む物資の搬入を不可能にします。
イエメン国内のいくつかの地域においては小麦の在庫が底をつくと言われる中、このような事態は更なる混乱を与えかねません。
ホデイダ港が打撃を受ければ、50万人が住みかを奪われ、新たな民間人犠牲者が増え、食料や医薬品、燃料の供給はますます途絶えることになるでしょう。
ホデイダ港にとって代わる港はありません。食料調達業者は紅海以外のルートを知る由もなく、ホデイダ港が機能しなくなれば近郊の穀物輸入の拠点となるアル・サリーフ港も封鎖となるでしょう。
それら必需品の供給の遅れや輸送コストの増大は、既に飢餓に瀕しているイエメン国民の約700万人の命を左右します。
オマーンやサウジアラビアからの陸路は時間もコストもかかり、紛争の最前線を通過しうることにもなり、人道的回廊には適しません。
意図的にルートがブロックされることで、人道支援は日常的な活動に支障をきたしています。多くの市民が命の危険に晒されています。
今、必要なのはなにものにも代えがたい人道支援を脅かすことではなく、政治的交渉による解決です。サウジ連合軍は事実上の封鎖を解除し、爆弾ではなく、ドバイで足止めされているWHOの4つのクレーンをすぐに現地に送ってください。
国際社会は、ホデイダ港への攻撃を防ぐために緊急に行動を起こしてください。私たちはイエメンで飢えに苦しむ子どもや家族を助けるために、あらゆる選択肢を模索しなければなりません。
世界最大の人道危機といわれるイエメンの紛争に対し、国連安全保障理事会による介入があったのが、1年も前のことであることに憤りを禁じえません。
イエメンの危機はもはや忘れ去られた紛争ではなく、そして忘れ去られた飢饉になることがあってはならないのです。
賛同団体
Action Against Hunger
Médecins du Monde
Norwegian Refugee Council
Saferworld
Save the Children
Tearfund
War Child
(原文抄訳)
©Reuters