内閣総理大臣 安倍晋三殿
厚生労働大臣 塩崎恭久殿
年末年始の生活困窮者施策についての要望
私たち「ふとんで年越しプロジェクト」は、新宿、渋谷、池袋、山谷地域など、主に東京都内を中心に、ホームレス状態の方、生活困窮された方への支援をおこなっている団体・個人のネットワークです。
ご存じの通り、政府の調査によれば、いわゆる「ホームレス」の方は減少傾向にあり、1万人を割っています。しかし、いわゆる「ホームレス」の方以外に統計では明らかにされていない、ネットカフェ難民と呼ばれる人たち、友人・知人宅に居候している人たち、住み込みの仕事で失職と同時に路頭に迷ってしまう人たちなど、広い意味での「ホームレス状態」の方は、数万人にのぼると考えられています。
もちろん、仕事を失ったり、収入が絶たれたり、住まいを失ってしまうなどの困窮状態におちいった場合、私たちは社会保障制度によって、必要ならすぐさま支援を受けることができます。
しかし、行政機関の窓口が閉まる「年末年始」は、そういった支援につながりたくても「窓口が開いていない」ことによって、それを利用することができません。
2015年9月には国連で新しい開発目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、日本を含むすべての国が貧困状態にある人や住まいを失っている人への支援(保護)を実現することが義務付けられています。
生活困窮し、場合によっては住まいを失い、寒空のもとに凍えてしまう方が出ないためにも、私たちは、「年末年始」の閉庁期間中に、以下の生活困窮者施策の整備を求めます。
1.「年末年始」の閉庁期間中に、各自治体に生活保護申請を受け付ける窓口を設け、申請権を侵害することなく適切な対応をおこなうこと。
2.上記閉庁期間中に、生活困窮者及び生活保護申請者に対し、必要に応じて、宿泊場所や食事の提供、またはその費用の給付・貸付等を適切に、かつ速やかにおこなうこと。
3.生活困窮者が上記閉庁期間中に、1及び2の施策を利用できるように、情報発信・広報の活動をおこない、その利用を促進すること。
4.上記1及び2の事項が適切におこなわれるように、各自治体への周知徹底をおこなうこと。