2015年9月は3回に亘り、BNPパリバ・グループの社員ボランティアの皆さまに東京プロジェクトの活動の１つであるパン作りにご参加いただきました。 精神・知的障がいなどを抱えながら路上生活を送っていた方々が、地域生活へ移行するにあたり、世界の医療団はさまざまな生活支援プログラムを提供しています。より充実した社会生活を送るための能力向上を図る目的のほか、地域や仲間との絆を深め、成功体験を積み重ねることで自己の尊厳を快復していく過程をサポートしています。


毎週水曜日は、池袋のあさやけベーカリーで夜回りのときに配布するパンを焼いています。店主の山田さんは、ボランティアとしてホームレスを経験されたメンバーの皆さんを迎え入れて下さっています。

BNPパリバ・グループの社員の皆さんは、初めての作業に戸惑いながらも、山田さんや現場の皆さんと楽しく会話を交わししながら作業に参加してくださいました。作業の工程を教えてくれるのは、パン焼きの作業がすっかり板についたホームレス状態を経験された当事者の方々です。普段、交流する機会のない企業ボランティアさんと当事者の皆さんが、パン焼き作業を通じてつながる素敵な空間となりました。
ボランティア最終回では、女性社員の皆さまが、世田谷パン祭りの出店のために販売するパンやお菓子に素敵なラッピングを施してくださいました。


作業に参加された方より次のようなお声をいただきました。

「ボランティア参加を通じて支援を受けている皆さんのことを身近に感じますし、一緒に作業をしたことに意味があったと思います。当事者の皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしました。活動の後は達成感を感じました。」

「正直、ホームレスの人たちへのサポートなどに関わることにはあまり興味を持たずにきましたが、あさやけベーカリーの山田さんのお話や、実際にお会いした元ホームレスの方たちと一緒に作業して、なんだか幸せで楽しい気持ちでいっぱいになりました。
共同作業を通じた一体感や達成感、そして成功体験の積み重ねが、大きな支援につながる、とのお話でしたが、こうした活動はいろいろな人たちの『自分にできること』を少しずつ集めて、枠組みを作って、さらに運営することが必要で、それがある人には奉仕の場だったり、支援の場だったりするのだなと思いました。お手伝いで行ったつもりが、自分が得るものの方が大きかった半日でした。」


あさやけベーカリーで作るパンは、路上生活を送る方の命をつなぎ、地域や企業、ボランティアとして活動する当事者の皆さんの心をつなぐパンです。こうしたボランティア参加を通じて、遠い存在であった「ホームレス」という見過ごされてきた人々を身近に感じていただくことにつながれば幸いです。

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