ラオス小児医療プロジェクト:現地レポート16

6月22日から27日、1週間にわたりスクマ郡での小児医療研修を実施した。

ラオス小児医療プロジェクト:現地レポート16
今回は世界の医療団チームがヘルスセンターと郡病院を1ヶ所ずつ訪問し、実地研修を実施。訪問型研修は、各医療施設のスタッフ全員が参加でき、普段の診察環境のなかで少人数に対して集中して指導することができる。また、訪問時に実際の患者がいれば、彼らの実践を観察して後から指導することもできるなど、様々な利点がある。

ラオス小児医療プロジェクト:現地レポート16
これまでは、スクマ郡に4ヶ所あるヘルスセンターのスタッフを郡病院など1ヶ所に集めて研修を行っていたので、研修会場として利用した郡病院のスタッフにとっては現場研修でも、ヘルスセンタースタッフにとってはいつもとは異なる診察環境での実習だった。もちろん、集約型研修には、異なる医療施設のスタッフ同士が意見交換でき、いつもとは違った刺激が受けられるといった、訪問型とは異なる利点もある。

ラオス小児医療プロジェクト:現地レポート16
2日間で完結できる集約型研修とは異なり、今回の訪問型研修は世界の医療団チームにとっては倍以上の1週間が必要になるが、小児の身体診察技術を中心テーマとした今回は、普段の診察環境のなかで、少人数を対象にできる訪問研修を企画した。

ラオス小児医療プロジェクト:現地レポート16
世界の医療団がプロジェクトを開始した2012年当初は、郡病院でさえ小児診察室と成人診察室が同一の部屋で、ほとんどの場合、成人用の医療器具で子どもへの診察が行われ、大人に対するのと同じように子どもへの診察が進められていた。そこでは小児医療という概念が薄く、子どもの身体に触れもせずに診察を終えてしまうこともよくある光景だった。

ラオス小児医療プロジェクト:現地レポート16
自分の言葉で症状を説明することができない子どもの診察には、同伴の大人への聞き取りや子どもの身体の診察が欠かせない。そこで、今回は小児マネキンを利用し、できるだけスタッフ1人ひとりが実践できる研修を企画した。

研修は、準備から実施までチャンパサック県病院に勤める小児科医、ナロン医師に参加していただき、日本から派遣した早川小児科医、パクセ駐在のモロニー看護師、木田看護師を中心にチーム体制で行った。

8月は、同様の研修をムラパモク郡で実施する予定。

スクマ郡での研修の様子を、各施設の写真のキャプションで紹介します。(写真上から)

22日 スクマ郡病院
比較的患者が多い郡病院では、スタッフの診察風景を観察。これまでの研修での学習成果などを確認します。

23日 ヘルスセンター1
夜間に侵入したらしいヤギの糞を漂白剤で掃除したのか、耐え難いにおいになっていたものの、何とか研修を開始。診察記録等のチェックからスタート。

24日 ヘルスセンター2
事前の呼びかけに応じて集まった子どもたちに健康診断。計測前にゼロkgに調整するのに手間取りました。

25日 ヘルスセンター3
センター長以外はスタッフ全員が住み込みであるためか、チームらしい雰囲気が一番強く感じられました。ナロン医師は小児患者(マネキン)の母親役です。

26日 ヘルスセンター4
患者がいない時間はマネキンを使って聴診や触診のポイントを確認していきます。

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