シンドゥパルチョーク郡では医療システムはあらかた崩壊した。国の大部分、特に首都カトマンズの東に位置するこの郡においては、医療施設の9割近くが崩壊し、住民は医療へのアクセスを閉ざされている。世界の医療団は診療所を開設し、治療にあたる。
郡北部で約50名の医療チームが住民の必要に応じ、医療を提供している。内科、外科に加え、臨床心理士も活動を開始した。また、医療支援に欠かせない医療機器、水道へのアクセスを担うロジスティシャンらは「Solidarités International」とEDF財団からの協力を得ている。
損壊した道路を通り、標高3千メートル以上の場所まで資材を運搬することはまさに輸送上の挑戦だったが、世界の医療団の緊急支援チームはグロシェ(Gloche)という村の近くに初めての診療拠点を設置することができた。ここを拠点として、この地域一帯の約4千の住民に対し、一次医療の提供を開始した。最大限の住民のニーズに応えるため、シンドゥパルチョーク地区の他の地域へも同様の措置を速やかに展開する。
世界の医療団の緊急支援デスク責任者であるジョエル・ウェラーは次のように表明している。「こうした移動診療によって3~6カ月は地震によって失われた医療の空白を埋めることができるだろう。しかし、恒常的な医療アクセス改善は、崩壊した病院や保健センターを再建し、国の医療保健体制を再度活性化させるといった段階を踏まなければならない。世界の医療団は、それぞれの過程において、ネパールの人々への支援を継続する」
(2015年5月6日、パリ)
<ご支援ください>
震災前から、世界の医療団はネパールで母と子の命を救うための母子保健活動を行っていました。今回の大地震を受け、医師、看護師、ロジスティシャンからなる12名の緊急医療支援チーム、そして15~20トンの緊急医療物資をパリから輸送し、緊急事態に対応しています。
被害は甚大さを極めています。もともと脆弱だった医療システムも壊滅的な被害を受けており、急性期・亜急性期を過ぎた後の中長期にわたる支援が必要になることは明白です。
被災したネパールに方々へ、皆様らからの温かいご支援をお願いします。
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