7人の緊急災害の専門家から成る世界の医療団スペインのチームはラメチャップ郡へ入り、医療支援の提供のため、地域住民が今、最も必要としているニーズについてのアセスメントを行った。
郡庁所在地であるマンタリはカトマンズから西へ陸路で5時間。ラメチャップ病院はマンタリから更に1時間離れた場所にあり、丘の上に建てられていることから四輪駆動車でアクセスする。周辺に散在的に居住する約2万人がこの病院を利用している。
緊急チームによれば、一般の住居の罹災率はおよそ15%程度と見積もられるが、その一方で、病院の被害は甚大だった。検査室、産科、分娩室、手術室、外来病棟、そして待合室も崩壊し、使用ができない状態にある。水道、電気も安定した供給がされていない。結果、震災以前に供給されていた医療サービスの実に80%は機能しておらず、20%のサービス提供に留まっている。
病院で唯一残った建物に4つの手術台が置かれ、治療が行われている(5月2日現在)が、周辺住民の受け入れ、治療に十分とは言えない。世界の医療団スペインは、病院の収容能力を向上させ、住民への医療サービス提供の再構築に寄与することを目的に、設備、医療資材、ロジスティックなどを行う。
<ご支援ください>
震災前から、世界の医療団はネパールで母と子の命を救うための母子保健活動を行っていました。今回の大地震を受け、医師、看護師、ロジスティシャンからなる12名の緊急医療支援チーム、そして15~20トンの緊急医療物資をパリから輸送し、緊急事態に対応しています。
被害は甚大さを極めています。もともと脆弱だった医療システムも壊滅的な被害を受けており、急性期・亜急性期を過ぎた後の中長期にわたる支援が必要になることは明白です。
被災したネパールに方々へ、皆様らからの温かいご支援をお願いします。
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<写真>
崩壊したラメチャップ郡病院の検査室
(撮影:Javier Arcos、世界の医療団スペイン)
(2015年5月2日、マドリッド)