3月2日(日)、イスラエル政府はガザ地区への人道支援を含むすべての物資の搬入を停止しました。イスラエル当局は、15ヶ月間にわたり組織的に人命救助のための物資を遮断してきた後、人道支援物資の流入を許可するすべての検問所を閉鎖し、ガザ地区に対する完全な封鎖を復活させようとしています。世界の医療団は、この決定が人々の健康に壊滅的な結果をもたらすであろうことを懸念しています。
2025年1月19日に発効した停戦合意を受けて、イスラエル当局はガザ地区への人道支援物資の流入に課していた厳しい障害の一部を解除し、物資の量を2023年10月以前のレベルにまで回復させました。パレスチナ人に対する15ヶ月間にわたる残虐行為と、広範囲に及ぶ民間インフラの破壊は、人命を救う物資や資材を完全かつ無制限に、そして大規模に提供することでようやく対処できるような人道的災害をもたらしていました。
一時的な戦闘停止とアクセスの再開から2ヶ月もたたないうちに、世界の医療団とその他の医療関係者は、これまでアクセスできなかった地域に一次医療センターを再建して機能を回復させ、既存の施設ではサービスを拡大することに成功しました。しかし、ガザの病院の半数は機能しないままであり、ガザ北部とラファは医療サービスが不足した状態で、伝染病が蔓延する条件が続いています。ガザのパレスチナ人のために救命医療を回復させようとする私たちの努力は、イスラエルがガザの包囲を新たに強化したことによって妨げられています。
「イスラエル当局は、200万人もの人々への食料や医薬品、その他の救命物資を再び遮断することで、子どもや高齢者、病人を含む最も弱い立場にある人々を、飢餓や医療ケアの欠如、標準以下の避難所での死に追いやろうとしているのです」 モルガン・ルソー、世界の医療団・スイス事務局長 |
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「人道援助が政治交渉の切り札として使われ、ガザに住む200万人のパレスチナ人の生活が政治的思惑に翻弄されるようなことがあってはなりません。圧力戦術として援助を意図的に操作することは、受け入れられないだけでなく、国際人道法の重大な違反です。イスラエルは占領国として、人道支援を必要としている人々への援助を促進する明確な義務を負っています」 ジャン・フランソワ・コルティ 世界の医療団・フランス理事長 |
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「世界の指導者たちは15ヶ月間、イスラエル当局に対し、パレスチナ人の大量殺戮、傷害、強制移送、そして彼らの家や学校、医療システム、生き抜くために必要不可欠なインフラの広範な破壊を止めるよう、真の政治的圧力をかけることができませんでした。しかし、行動を起こすのに遅すぎるということはありません。今こそ、国際社会は、国際人道法を尊重し、その尊重を確保するというコミットメントが、単なる言葉だけではないことを示さなければなりません。今こそ、これまで以上に、人道援助のためのすべての国境検問所を再開するようイスラエル当局に真の圧力をかけ、紛争の両当事者に恒久的な停戦を約束し、すべての民間人を保護するよう求めることによって、国際人道法が依然として適切であり、すべての人に適用されることを再確認しなければなりません」 ホセ・フェルナンデス スペイン・世界の医療団理事長 |
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