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バングラデシュ洪水被害:現地からの報告

世界の医療団はジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成により、バングラデシュでロヒンギャ難民とホストコミュニティへの支援で協働している現地団体のPULSE Bangladesh Societyとともに洪水の大きな被害を受けた東部フェニ県で被災者への巡回診療を行っています。
洪水後の典型的疾患として、皮膚炎が挙げられます。実際、これを訴える患者が多いです。こうした人々を含めて、これまで1万人以上の人々を診察し、薬剤を処方しました。

対象のインド国境近くの1地区でディナさんとシェイク・ラッセルさんからお話を伺い、村を案内してもらいました。


ディナさん ⒸMdM Japan
ディナさんはカタールで出稼ぎしているのですが、休暇で帰省した際にたまたま洪水に遭ったそうです。首まで浸かるくらいに水かさが増しました。ただ、この村では出稼ぎをする人が多くいて、しっかりした造りの家を建てられているようで、人々はこうした家の屋上に避難したそうです。たくさんの洪水時の動画を共有してくださいました。そのうちの一つをご紹介します。




ディナさんは8月に結婚したのですが、11月下旬からまたカタールに戻り、2、3年は帰国できないそうです。洪水後、村の人々は助け合って生きていますが、多くの人々に十分な仕事がなく、彼のように家族が離れ離れにならざるを得ないのも課題です。

ラッセルさんⒸMdM Japan
ラッセルさんは大学で生物学を専攻し、卒業したのですが、仕事がなく、今は子どもたちに英語を教えているそうです。読書が好きで、たくさんの本をもっていたのですが、洪水で傷んでしまったそうです。



洪水で傷んだ本 ⒸMdM Japan










洪水時には残念ながら政府の支援はなく、おそらくこの背景の一つとして8月上旬の政変(市民の抗議行動による前政権の崩壊)により特に地方行政が対応しきれなかったことが挙げられます。NGOによる巡回診療は初めてだと言われました。

そのような人々への支援のため、世界の医療団は巡回診療を継続します。

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