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10月10日の世界メンタルヘルスデーに寄せて

10月10日はメンタルヘルスデーです。世界各地で長引く紛争や、復興の兆しの見えない自然災害、貧困など、こころの健康がこれまでに増して危機にさらされるケースが増えています。

世界の医療団 日本が活動するロヒンギャ難民キャンプでは、避難民生活も8年目に突入しました。ミャンマーの情勢悪化により人々の帰還の見通しは立っていません。難民キャンプでは教育や就労に制限があり、将来への展望持てないこと、ギャングの抗争や誘拐、暴行など治安が悪化していることで、メンタルヘルスのサポートが必要なケースが多く出ています。

世界の医療団は、現地で罹患患者の多い非感染性疾患の予防事業をやっていましたが、2024年3月より、新たにメンタルケアも開始しました。糖尿病など非感染性疾患の症状が悪化し、気分が落ち込んでうつになるケースも出ており、こころのケアも含めた包括的な支援の必要性が出てきたからです。キャンプで孤立している高齢者や、逆に高齢者を介護しなければならないヤングケアラーらも、こころのケアを必要としています。
世界の医療団は、保健ボランティアにトレーニングを実施し、悩みや不安を持つ人の話をじっくり聞き、共感し、適切に反応する傾聴によって、ロヒンギャのこころの負担を軽減します。

「保健ボランティアの方が話を聞いてくれて気持ちが楽になりました。今後も続けて来てほしいです」と52歳の女性は語ります。

貧困、暴力、不平等、社会的孤立などはこころの健康へのリスク要因になりますが、良好な人間関係を築いたり、教育や就労の機会を得たり、こころの健康についての意識を高めたりすることで、相対的にリスクを抑えることができます。個人の力ではどうしようもない困難な状況下でも、人と人のつながりなどが生きる力を支えます。


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