日本で「こどもの日」といえば5月5日ですが、ラオスでは6月1日が子どもの日として、さまざまな催しが開催されています。2024年は6月1日が土曜日に当たるため、前日の 5 月 31 日(金)に、世界の医療団は「国際子どもの日」を祝うイベントを、活動地であるフアパン県で開催しました。子どもの「健康への権利」を守ることの重要性をイベントで訴えるため、県の保健局、教育スポーツ局、ラオス女性同盟と連携して開催しました。
当日は県内からは973名が、会場となった県都サムヌア郡のフアパン県文化会館に集まりました。県知事、副知事、ザムヌア郡知事、およびすべての県行政と連盟のトップも参加しました。
イベントは、県知事のスピーチで始まりました。フアパン県の子どもの権利の実現に向けた主要指標の達成における成功と失敗の両方に触れ、その中で、産前ケアを含む子どもの主要な健康指標の達成にさらなる努力をする必要があると述べました。医療施設での出産や、予防接種、および医療施設で小児疾患の治療を受けることです。県知事のスピーチに続いて、地元の学校の生徒たちによるダンス、歌、タレントショー、その他の楽しい催しが観客を楽しませるために行われました。
イベントの後半では、 世界の医療団が子どもの健康を改善するための活動について伝えました。ファンラ中高学校のボランティアの生徒たちと一緒に、「失われた機会」と呼ばれる劇を上演。そこでは、妊娠から子どもが成長するまでの 2 つの家族の生活が描かれました。医療施設でワクチン接種を受け、医療従事者のアドバイスに従っていた家族と、そうでなかった家族の2つです。その目的は、医療サービスへのアクセスが、子どもたちの健康や教育やより良い未来への機会を生み出す一方で、医療サービスにアクセスできないといかに機会が失われるか、参加者に考えてもらうことでした。そして、特にイベントに出席した政府高官らに、劇のメッセージである子どもたちへの健康へのアクセスの重要性を伝えるため、世界の医療団とボランティアの学生らが、フアパン県の子どもたちの健康状況の現実について、プレゼンテーションを行いました。さらに、この状況を改善するにはどのような具体的な活動が必要か伝えました。
劇に出演したボランティアのメッセージ NGOと仕事をしたのは今回が初めてです。劇で演じている間、私がいかに幸運なのかを考えさせられました。両親は、私が赤ん坊の頃に具合が悪いと病院に連れて行ってくれたり、予防接種を受けさせたり、良い教育を受けさせるなど、私の健康に気を配ってくれているからです。 ここフアパン県では、家族が健康に気を配らないために、多くの女の子たちが人生で良い機会を得られないばかりか、もしかしたら死んでしまうかもしれないことを知っています。健康が人間の権利であるにもかかわらず、です。このドラマを通して、人々がもっとこのことを理解してくれることを願っています! |
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また、子どもの権利に関するクイズショーを行いました。世界の医療団はこの機会を利用して、ラオス政府が採択した国連子どもの権利条約で、達成可能な最高水準の健康を享受する権利が定められており、どんな子どももその権利を奪われることはないことを強調しました。そして、イベントに出席した高官らに、この権利を確実に保護するには、行政のリーダーシップや支援、協力、イニシアチブが必要であると訴えました。
世界の医療団はイベントに先立ち、子どもを持つ親に母子健康手帳をイベントに持参するよう呼び掛けました。世界の医療団がブースを設けたイベントの入り口で、スタッフが母子健康手帳を確認し、予防接種と子どもの健康診断がスケジュール通りに実施されているか、4回の妊婦健診が完全に完了しているか、健康な子どものための国のガイドラインに沿った行動(保健施設での出産)ができているかがチェックされました。保護者たちは、ブースでアドバイスや指導を受けることができただけでなく、母子健康手帳の基準を満たした保護者は、子どもの健康維持の優れた模範として表彰されました。
最後に、県知事が、フアパン県の子どもたちの健康改善への貢献をたたえて、世界の医療団に賞を授与しました。今後も、取り組みを確実に継続していくよう、さらに尽力することを約束しました。