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ガザ:絶望的な状況のなかでも医療を途絶えさせない

半年以上にわたって続くイスラエルによるガザへの攻撃で、人道支援従事者を含む3万4000人以上の人々が命を落としました(4月19日現在。ガザの保健当局発表)。病院、学校、水道などインフラへの攻撃はやまず、さらにイスラエルによる封鎖で支援物資を運び込むことが制限され、子どもたちが餓死しています。強制的に避難させられた先でも攻撃を受け、ガザはもはや安全な場所がありません。世界の医療団のスタッフも自宅が空爆を受けて亡くなり事務所は破壊されました
そのような中でも世界の医療団のスタッフたちは下記に紹介するように、医療支援活動を続けています。


医療拠点:ラファの2ヶ所


・各チームは一般医1 名、母子医1 名、看護師 1 名、助産師 1 名、心理学者 1 名で構成され、感染症および非感染性疾患(NCDs)の診断と治療、母子保健、性と生殖の健康と権利(SHRH)、心理社会的支援(MHPSS)など、基礎医療を含む週1000件の健康相談を実施。
・感染のリスク軽減のため、A型肝炎と診断された患者に168個の衛生キットを提供するよう他団体と連携。
・3月4日に医療キットを積んだトラックが到着。




医療拠点:ラファの1ヶ所で現地パートナーと協力


・基礎医療(PHC)、心理社会的支援(MHPSS)、専門医への紹介。
・2月は947人(48%が子ども)の患者にPHCと医薬品を提供。そのうち73人の患者に健康フォローアップ相談を実施。 22人の患者に心理学者による心理社会的相談を提供。
・3月は1282人(58%が子ども)の患者にPHCと医薬品を提供し、そのうち122人の患者に健康フォローアップ相談を実施。 38人の患者に心理学者による心理社会的相談を提供。
・専門医へ紹介した症例のほとんどは肺炎、疥癬、 A型肝炎および胃腸炎。
移動診療を行っている避難所内で感染症が蔓延し、スタッフに感染リスクがあったが、安全対策と予防策を強化。個人保護具を使用して対処。
また、太陽発電が途切れることがあり、検査装置の稼働に影響が出た。
・心理学者による心理社会的サービスを提供。課題として避難所センターは避難民で混雑しているため、心理学者が心理的サポートサービスを提供するための独立した部屋がないことが挙げられる。
・4月8日以降、子ども、若者、その親たちのために、ストレスを軽減するレクリエーション活動(サーカス、ゲームなど)や、おもちゃの配布など、多方面から包括的なアプローチを実施。


移動診療車で診察を行う
移動診療車で診察を行う
薬も提供
薬も提供
子どもにおもちゃを配布
子どもにおもちゃを配布
レクリエーションの催し
避難所でのリクリエーションでつかの間でも不安からの解放される時間をつくる

以上の4枚の写真ⒸMdM Switzerland




活動拠点:ラファと北ガザで4ヶ所。現地パートナーと連携


・各診療所のスタッフは一般開業医、看護師、助産師、心理学者、小児科医、産婦人科専門医、救急医、薬剤師、事務員、診療所管理者、助手。
2月中旬から3月1日まで4,878件の医療相談を実施。
 救急サービス(181件、うちやけど103件)、
 リプロダクティブ・ヘルス/母子保健(212件、うち栄養失調160件)、
 医療応急処置(1226件)、
 非感染性疾患(1750件)、
 感染症(1,026 件、うち 498 件が胃腸炎)、
 心理社会的支援(MHPSS)活動は91回、955人が参加。
・6歳から18歳までの女性は最も需要の高い年齢層。メンタルヘルスの主な問題は、不安やうつ病、トラウマ、心身症など。


(以上4月19日現在)


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