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トルコ・シリア地震から1年  42万件以上の医療サービスを提供

2023年2月6日、トルコ南部とシリア北西部でマグニチュード7.8の地震が発生し、5万8000人以上が死亡、両国全体で数百万人が避難、多くの建物やインフラが広範囲にわたって破壊されました。余震は数週間にわたって続き、両国の人口1800万人以上が被災しました。

トルコ・シリア地震地図2016年からトルコとシリアの社会的弱者や避難民に保健サービスを提供している世界の医療団は、当日のうちに緊急対応を開始。この1年間、基礎診療、医薬品の配布、性と生殖に関する健康サービスの提供、ディグニティ(※)・衛生・出産用キットの配布、個別・集団の精神保健・心理社会的支援サービス、入院や専門外来を有する二次医療施設への支援など、包括的な医療サービスを提供してきました。また、支援が届きにくい場所にこちらから出向いて医療を届ける移動診療と、最も弱い立場にある女性と子どものための安全な場所の運営を行っています。
移動診療、地域の病院や診療所、コミュニティ・センターを通じて、合計42万5321件の医療サービスを提供しました。


※ディグニティ・キット
衛生を維持し、人としての尊厳を保つために必要な生活必需品が入ったキット。生理用品や下着などが含まれる。


トルコ・シリア地震から1年

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トルコ


2月6日に発生した地震は、1939年以来この国を襲った地震の中で最も強力で、広範囲にわたりました。この地域は隣国シリアから紛争を逃れた100万人を超える難民が暮らしており、地震の被害を受けた10の県に1500万人以上が住んでいます。なかでもハタイ県は断層上に位置し、トルコで最も大きな被害を受けました。推定7万5000棟の建物や家屋が損壊し、震災から1年がたった今も、瓦礫の撤去が続いています。
被災者はハタイを離れ、トルコ西部のイズミルに移住する一方、アンタキヤのキャンプや行政の手の届きにくい農村部で生活を続けている人々もいます。仮設住宅の数は足りず、特にシリアの人々の多くはいまだに非公式のテント村で暮らしており、行政のサービスも限定的です。


世界の医療団の活動

被災者に必要不可欠な基礎医療と精神保健ケアを提供する唯一のNGOとして下記の活動を行いました。
・ハタイ県アンタキヤ、イズミルで2645個のキットを提供し、ケースマネージメントを含む3万3450件の保健サービスを提供
・移動診療を通じて、ハタイで少なくとも120ヶ所、イズミルで約40ヶ所のテントで暮らす人々を支援
・ハタイ県で被災者2万6531人に対する3万3450件の健康相談を実施
・4984件の産前産後検診、家族計画などの性と生殖に関する健康と権利に関するサービスを提供
・7100人に心理社会的グループセッション実施
・ハタイ県アンタキヤに女性と子どもの安全なスペースを設立。ジェンダーに基づく暴力の危険にさらされている人々が総合的な保健サービスを利用できるようになった
・臨床心理士による約600人への精神保健個人セッション


トルコ・シリア地震での医療支援
©MdM Türkiye

シリア


2月の地震によって推定290万人が被災し、30万人以上が家を離れなければなりませんでした。MdMが活動するイドリブとアレッポは、国内で最も国内避難民が密集している地域で、住民の平均79%が賃貸住宅やテントで暮らしています。これらの地域は地震の影響を最も強く受け、町の大部分は瓦礫と化し、8000人以上の死亡が確認されました。冬の凍てつく寒さや夏の熱波にさらさられるテントでの劣悪な生活環境は、テント内の換気の悪さやキャンプ内の不十分な衛生環境と相まって、コレラなどの感染症を蔓延させ、子ども、高齢者、女性、障害者など最も医療を必要としている人々の死亡率を上げる原因になりました。また、家庭内暴力、性的暴力、レイプ、性的搾取・虐待・ハラスメント、保護者のいない未成年者、育児放棄、児童労働、早婚などが増加しています。

世界の医療団の活動

・地域の病院や診療所で約16万5000人の国内避難民に24万5,000件以上の診察を実施
・アレッポ、イドリブ、ハマで、衛生の悪化による病気の予防のためのキット3万9個を提供
・現地のパートナーを通じイドリブ州の27の病院に500個の外傷キットを配布。約2万5000人の患者に緊急外傷手術と選択的再建手術を提供できるようにした。6880個の透析キットと関連医薬品を購入。2つの透析ユニットを支援
・コバネ地域で合計14万6871件の診察を実施。4209の衛生などについてのキットを配布。1,034件の入院や専門外来を有する二次医療施設への搬送。2万5188件の性と生殖の健康相談、7784件の精神保健・心理社会的支援相談、感染症と地震対策に関する広範な意識向上キャンペーンを1万3958回実施


継続的な支援はまだまだ必要です。MdMは、コミュニティの回復と再建をサポートするために、これからも活動を続けていきます。

トルコ・シリア地震の医療支援活動
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*これらの活動の一部はジャパン・プラットフォームの助成を受けています






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