ガザ地区で働いている世界の医療団の心理学者ヌールから、次のようなメッセ―ジが届きました。 世界の医療団(Médecins du Monde : MdM)は、世界74ヶ国で330の活動と17のネットワークを持つ国際NGOです。
親愛なる皆さん、こんにちは、
あなたが私のメッセージを受け取ってくださるかどうか、
また私が生きていてあなたに再会できるかどうかもわかりません。
私は、ガザの悲惨な状況についての悲痛なニュースをお伝えするために、
重い気持ちでこの手紙を書いています。
ガザは、人道的大惨事としか言いようのない状況の真っただ中にあります。
すでにご存知のように、ガザは壊滅的な砲撃を受けています。
私たちのほとんどは、徒歩で強制的に家を追われ、
かつての平和な地域は痛ましい瓦礫と灰と化しました。
4,500人近くが命を落とし、12,000人が負傷し、
その中には罪のない子どもたちも含まれています。
心を痛めるような犠牲者に加え、
私たちは今、水も食料も電気もない、耐え難い状況で暮らしています。
一瞬一瞬が最後の瞬間のように感じられ、
家族や子どもたちに別れを告げ、
彼らの目を見つめ、また会えるのだろうかと考えます。
私たちは常に恐怖と不安の中で生きており、
深い無力感、絶望感、残酷さに圧倒されています。
さらに、医師や患者、避難民でいっぱいのアル・アハリ・アラブ病院が最近爆破されたことで、
私たちの絶望はさらに深まりました。
1,000人以上(*)の魂が、たった一度の恐ろしい暴力行為で失われたのです。
世界が私たちの窮状を理解し、私たちの声を聞き、
私たちとともに立ち上がることを緊急に必要としています。
私たちは前例のない人道的災害の真っ只中にいます。
意識を高め、私たちの物語を共有し、可能な限りの方法で支援してくださるようお願いします。
どうか私たちのことを思い、祈っていてください。
私たちは、このような圧倒的な逆境に直面しても、耐え抜く決意を固めています。
ヌール
2023年10月19日
*実際の数は不明
現在、全ネットワークで連携し、この人道危機に対応しています。
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