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ロヒンギャ難民コミュニティ支援プロジェクト

過酷な環境下にある女性たちを 誰一人取り残さない

先の見えないキャンプ生活。治安は悪化の一途


map_rohingyaロヒンギャの人々が、ミャンマー軍による激しい弾圧を逃れて隣国バングラデシュに逃れてから6年。難民キャンプに暮らす人々の数は93万人にも膨れ上がり、ギャングの抗争、人身売買、麻薬取引などが日常化し、治安は悪化の一途をたどっています。特に、女性は家庭内暴力やレイプなどの性暴力に日常的にさらされており、教育や就労の機会が制限され、望まない児童婚や若年妊娠を強いられ、心身の健康を損ねる事例が報告されています。


・難民キャンプで暮らすロヒンギャの人々
  93万
・人口密度   日本の223
・キャンプの医療施設数   約150ヶ所
水場・トイレは共同
(シェルターから離れており、特に夜は女性への暴力が頻発)
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*世界の医療団へのご寄付では、所得控除または税額控除の寄付金控除が受けられます。
*世界の医療団は、受け取った寄附金を特定の支援プロジェクトのみに充てることなく、
頂戴した寄附の総額を支援活動全体に分配することを原則としています。


非感染性疾患(NCDs)の予防事業を通じて女性たちに自信とパワーを


ロヒンギャ難民キャンプでの活動女性たちは慣習的に外出の機会が制限され、慢性的な運動不足や、家族のなかで食事が後回しになるために栄養が偏り、糖尿病や高血圧、がんなどの非感染性疾患(NCDs)のリスクも高いのです。世界の医療団は、2017年から難民キャンプとホストコミュニティにおいて医療支援を行っており、2021年にNCDsの予防対策事業を開始しました。罹患者やリスクのある20歳以上の住民とその家族に健康教育を実施していますが、女性たちを単に医療につなげていくだけでなく、保健ボランティアとしても育成し、住民への健康教育などで一緒に活動してきました。女性たちはこの活動を通してさまざまな知識を得、有償ボランティアとして働くことで経済力を得て家庭内での発言力が高まるなど、彼女たち自身のエンパワメント(力づけ)につながっています。

世界の医療団の活動

女性たちに寄り添い、力づける支援を


これまで世界の医療団の活動を一緒に行ってきた女性の声を紹介します。

アイシャ(仮名:一緒に活動していた保健ボランティア)の声

ミャンマーでは自分が外で働くことなど考えもしませんでしたが、キャンプでは働いて家族を経済的に支えることができています。さまざまな健康問題を担当していますが、多くのロヒンギャ女性が、家庭内暴力などで幸せな結婚生活を送っていません。より多くの啓発の機会が必要です。

タミマ(一緒に活動している医師)の声

ある女性は私に絞首の跡を見せ、夫がやったといいました。彼女の同意のもと、法的措置のサポートを行っている団体に引き継ぎしました。多くのロヒンギャ女性は法的措置に出ることを望みません。夫に逆らうことには抵抗があり、家族を壊したくないからです。そのような場合は、心理社会的支援(カウンセリング)を行っている団体につなげます。なぜ多くの女性は暴力に耐えているのかと聞いたことがあります。彼女たちは自分の子どもや夫を失うと自分たちのアイデンティティーがなくなってしまうと言いました。彼女たちは、何をするのもすべて夫に依存しています。女性が声を上げるためには、エンパワメントするような支援が必要だと思います。

彼女たちの声から見えてくるのは、現地の女性にとって、保健医療につながることに加え、自分の健康や権利についての意識を高めるための支援が必要であるということです。同時に男性も含めた地域の人々に関して、権利を阻害する社会的・宗教的慣習などについて意識を変えていくことが求められています。

世界の医療団の2023年7月と8月の活動実績(難民キャンプとホストコミュニティ)
● 健康教育参加者数 2118人
● 保健ボランティアの研修対象者数 9人(確認試験で全員が8割以上の正答率)
● 保健・行政関係者や宗教指導者などとのミーティング参加者数 143人


< ご支援はこちらから >

世界の医療団の活動は、ロヒンギャの女性たちにとって大きな心の支えになっています。皆さまのあたたかいご支援で、活動を継続することができます。ぜひ力をお貸しください。

*世界の医療団へのご寄付では、所得控除または税額控除の寄付金控除が受けられます。
*世界の医療団は、受け取った寄附金を特定の支援プロジェクトのみに充てることなく、
頂戴した寄附の総額を支援活動全体に分配することを原則としています。

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