医療体制が十分でないラオスの山岳地帯。 医療従事者の技術や知識の向上と 住民への健康教育により、母子の健康を守っています
世界の医療団が活動するラオスは、5歳未満児死亡率が1000人中46人(UNICEF世界子供白書2021)と、日本の2人に対して23倍にも上ります。特に、山岳地帯のフアパン県のサムヌア郡とクアン郡は、国内でも多くの子どもが亡くなっていました。交通の便が悪く、元々数が少ない医療施設に行くことも容易ではなく、医療従事者の技術や知識も限られていました。住民も積極的に医療機関を利用することはありませんでした。そこで、世界の医療団は保健医療従事者の能力・技術の強化、保健行政の運営能力の強化とともに、住民への健康教育を通じ、母と子の命を守る活動、さらには一般医療体制の強化を行っています。
また、これらの活動が地域に根づき、住民自身が自らの手で健康を守っていけるよう村落健康普及委員会を育成。郡保健局の監督下で、簡易医療施設と協働できる体制を整えています。住民に妊婦健診と施設内分娩、産後健診、予防接種、家族計画などの大切さを伝える活動を担っています。
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第一子を失った経験から、出産時の医療の大切さを村の人々に伝える
第一子を生まれてすぐに亡くしました。当時私は17歳で妻は13歳。妻は、ふだんは健康で妊娠中も何も問題ありませんでした。農家の仕事が忙しかったので、妊婦検診には2回しか連れて行きませんでした。そして、私が自宅で生まれたように、妻も自宅で母や近所の女性たちが手伝って出産しました。ところが生まれてきた子どもは小さくてすぐに呼吸困難に陥り、23時間ほどで亡くなってしまいました。妻はそれから20日間出血が止まらず、どんどん弱っていき、とうとう意識を失ってしまいました。私はその時になって初めて病院に連れて行きました。幸い妻は適切な処置を受け、2週間の入院で回復しました。そこで医師から、病院で出産していたら異常にもすぐに対処でき、子どもも助かっていただろうと言われました。痛恨でした。それからは妻に妊婦健診と産後ケアを受けさせ、病院で出産させることを何よりも優先させました。医師や看護師のアドバイスに慎重に従ったおかげで、今、妻と3人の子どもたちはみんな健康です。 現在、私は村長で村の村落健康促進委員会のメンバーでもあります。この経験や研修で学んだことを生かし、村の人々に出産前、出産時、出産後に病院に行くことで、母子の死亡を大幅に減らすことができるということを伝えていきます。 |
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2023年7月の活動実績
対象:30村約1万4480人、2つの郡保健行政と7つの簡易医療施設の医療従事者67人
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妊産婦や子どもが命を落とすことがないように、世界の医療団は現地の人々に医療の大切さを伝え、現地の医療システムの向上のために地道ながら丁寧な活動を行っています。 みなさまのあたたかいご支援が、活動の大きな支えになります。皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
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