昨年12月にはバンギ市内で大きな襲撃があり、多くの人々が命を落としました。国内避難民は50万人を超えると言われ、彼らは国内に散在する避難所での生活を余儀なくされています。世界の医療団は、現地パートナーを通じての医療支援と並行し、9箇所の避難所で約9万人を対象に緊急医療支援を実施しました。
©MdM JapanSebastien Duijndam
【感染症蔓延のリスク】
中央アフリカ共和国はもともとコレラなどの疫病蔓延のリスクがある国です。昨年は治安憎悪のため、乳幼児の一般的な感染症予防接種率はわずか10%しかなかったと言われています。避難生活を余儀なくされている人々や子どもたちは、衛生面の悪化からもあらゆる感染症のリスクにさらされています。世界の医療団は、この状況に対し、1月には予防接種強化キャンペーンを実施しています。
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【栄養状態の悪化】
治安の悪化のため、人々は農作物を作ることさえできず、僅かな食料の蓄えも底をつきつつあります。仕事もなく、物価も高騰する中、支援団体による食料の配給も正常に機能していないと言われています。
現地の支援にあたった医師は、暴行や略奪が日常化している現状を目の当たりにし、その日の活動が実施できるかどうかもわからない深刻な状況にあったと証言しています。医療ボランティアの安全を確保するために、支援先へ向かうルートの変更をしたり、時には活動を停止したりすることも余儀なくされました。
いまだにこの国の情勢は悪化の一途を辿るばかりで、沈静化する兆しすら見えません。世界の医療団は、この状況を受けて一人でも多くの医療アクセスを確保するべく、更に現地での支援体制を強化発展させていきます。
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日本ではほとんど報道されることのない、遠いこの国の人道危機を多くの方にお伝えすることも使命のひとつと考え、活動を継続していきます。どうか、引き続き皆さまの温かいご支援をお願い申し上げます。
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