ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート7

私たちの活動は、医療保健人材の育成、村人への健康に関する教育(健康普及教育)、5歳未満児医療費の無料化支援を3本柱としていますが、これらは密接に結びついていて、どれも疎かにはできません。

ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート7
発熱した子どもを抱えた村人が時には何時間もかけてヘルスセンターに来るのは「ヘルスセンターに行けば子どもが無料できちんとした診療を受けられ、薬がもらえる」と健康普及教育(レポート6参照)で聞いたからです。

しかも、具合の悪い子どもを連れてヘルスセンターまでの道のりを移動してくるのは想像するより大変なことです。 村に入るとバスなど走っておらず、タクシーが流している訳でももちろんありません。自家用車を持っている農村家庭はほぼ皆無と言ってよいです。そんな中、スクーターや自転車はお役立ちですが、少しでも雨が降れば道はぬかるみとても二輪で走れたものではありません。

だからこそヘルスセンターにやってきた親子には、「無料」であると同時に「適切」な医療が提供されることが大事なのです。

ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート7
そのために、日々、活動地であるスクマ郡とムンラパモク郡に10ヶ所あるヘルスセンターで信頼のおける医療を提供することができるよう、毎日のように世界の医療団のスタッフが村の奥地で活動しています。

写真1は2013年10月のある日のヘルスセンター指導風景です。写真の一番左はこのヘルスセンターのスタッフで、青いシャツを着ているのが世界の医療団のメディカルオフィサー(現地雇用看護師)です。保健当局が導入を進めている小児の疾病を統合的に診断するためのフォームを使用しながら、より的確な診断を進めました。

診察を終えると、今度は医療費請求のフォームを記入することも大切な仕事です。パソコンの端末もなく、かつ個人のカルテが導入されていないので、慣れるまでは大変です。 写真2は、メディカルオフィサーとともにヘルスセンタースタッフが必要事項をフォームに記入しているところです。

さらに、3本柱で成り立つプロジェクトの課題や進捗を現地のカウンターパートと共有し改善策を定期的にディスカッションしていくことも、地域にシステムを残すためには大切な取り組みで、活動の3本柱の礎となっています。

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