ラオスの世界の医療団チームも、同時期には通常の活動ができない状態になりました。そんな中、私たちのチームメンバーである現地メディカルオフィサー(看護師)は、各保健センターのスタッフと携帯電話で密に連絡を取り合い、医療施設や周辺村落の被害状況の把握に努めました。さらに、洪水被害対応に当たる郡保健省と協力し、他からの援助がない地域への物資調達および、浸水後の不衛生状態から蔓延しがちな感染症予防教育の強化を通常活動に取り入れていく方針を被害対応中に固めていました。また、洪水の真っただ中に出産直前の妊婦を搬送しなければならない事態に陥った郡病院のスタッフのサポートにも当たり、なんとかボートと車で県都パクセの病院に妊婦を送り届け、母子ともに無事の出産報告を受けることができ、大変ななかチーム皆で胸をなでおろしました。
いざという時に皆がお互いに助け合える地域医療体制の構築、それはほかならぬ私たちが実現したい目標です。それを支える人材と信頼関係が私たちの活動の内部・外部で育っていることを感じられた出来事でした。
写真1.洪水時にはかなり増水したメコン川
写真2.少し雨が降るだけでぬかるむ村落の道路