ロシアによるウクライナ攻撃が始まってから7ヶ月。避難所に身を寄せる人々の多くを占めるのが、女性、子ども、妊婦、高齢者、健康上の問題を抱えている人々です。世界の医療団は、その一人ひとりが必要に応じた医療を受けられるよう活動を続けています。
人々に直接医療を届ける「移動診療」は活動の柱
移動診療チームは、キーウ州やチェルノフツィ州では医師、看護師、心理学者で構成され、避難所などに出向いて、住民に診察、診断、投薬などのサービスを提供しています。キーウ州では、列車を改造した「トレインシェルター」が避難所として機能しています。ここにはイルピンでの戦闘で家を失った人々が暮らしています。この「トレインシェルター」は7両編成で、そのうち1両は食堂、1両はバスルーム、残りの5両が避難所として使用されています。世界の医療団の移動診療チームはバッテリー内蔵の医療機器を使用しているため、このような場所でも診療が可能です。避難している人々へ診療や薬の処方を行いました。キーウ州では、移動診療の需要が非常に高く、今後、チームを増やして対応する計画です。
また、ウクライナ北部チェルニヒウでも移動診療チームを立ち上げるため準備を始めています。チェルニヒウは激しい攻撃を受けたため、医療施設が機能しておらず、自力で医療を提供できる状態にありません。ハルキウやザポリージャでも同様のニーズがあり、支援が求められています。
©Pietro Chekal – Médicos del Mundo
医療の知識や能力の向上
世界の医療団は活動の柱である移動診療チームの能力向上に力を入れています。最近では、血液検査に必要な分析装置を扱うトレーニングを行いました。
また、キーウ州の占領が解除された地域で医療施設のニーズ調査を行ったところ、医療従事者向けの救急医療の知識向上の要望がありました。それに基づき、世界の医療団は研修を実施、イルピンとブチャから112人の医師、看護師が参加しました。研修では、自動・手動式除細動器を迅速かつ安全に使用する方法や、蘇生、診断、気道確保をシミュレーションしながら練習するなど、救急医療を提供するうえで重要な知識と技術の向上を図りました。
必要とされている場所へ 医薬品等の輸送
©Pietro Chekal – Médicos del Mundo
また、世界の医療団は妊産婦と新生児の支援にも積極的に取り組んでいます。キーウ州では、国内避難民を含む妊産婦の支援を開始しています。2つの医療施設を直接支援するほか、250セットのマタニティキットを提供しています。マタニティキットは母親用バッグ、新生児用バッグ、医師用バッグの3つのバッグからなっています。母親用バッグには衛生用品、新生児用バッグにはおむつ、体温計、保湿剤、パウダーなどが、医師用バッグには手術着と医療消耗品(へその緒を切るはさみ、臍帯クランプ、カテーテル、注射器、包帯など)が入っています。支援の規模やバッグの内容は、地域の保健当局や妊産婦を受け入れている医療施設との協力のもと決定しました。
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