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ウクライナ東部における最近の情勢に関する国際NGO共同声明

以下はウクライナ東部で活動を行う国際NGOによる現在の治安情勢に関する共同声明です。

2022年2月18日、ウクライナ東部、ルハンスク及びドネツク地域より

私たちは、ドネツク及びルハンスク地域の境界線における最近の一連の砲撃の報告を深く憂慮しています。この砲撃は同地域の複数箇所で民間人や民間インフラに及んでいます。ルハンスクのスタニツィアやヴルビフカなどの砲撃対象地域のすぐ近くには幼稚園や学校の子どもや教師、働く人々、人道支援従事者、住民がおり、一部の住宅や民家が巻き添え被害を受けて、重大かつ差し迫った危険にさらされています。

この出来事は今回に限ったことではなく、ドネツク及びルハンスク地域の人々にとっては9年近く続いている現実です。敵対行為が続く間、すべての当事者は、民間人と民間インフラ(特に学校、病院、水道設備)を武力攻撃から保護し、影響を受けた人々への迅速かつ円滑な人道支援を提供することにより、国際人道法の下での義務を遵守しなければなりません。生存権は基本的人権であり、すべての人間の生命はかけがえのないものです。

私たちはまた、紛争のすべての当事者に、永続的な停戦への同意を求めます。それが市民を暴力やその他の権利侵害から保護する唯一の方法だからです。特に、学校保護宣言と人道法に沿って、学校、子ども、教師に対する攻撃を行わないよう、すべての関係者に求めます。

そして、私たちは現在の緊張状態が人々の心身の健康に及ぼす影響についても懸念しています。ウクライナ政府管理下の地域、管理下にない地域にかかわらず、人々は当局の声明とマスメディアの情報に不安を感じ、疲弊しています。国連事務総長はウクライナに関する最近の公式演説で、外交が優先されるべきであると強調し、「扇動的なレトリックの余地はない。公式声明は、緊張を緩和することを目的とすべきであって緊張を煽るのであってはならない」と述べました。

ウクライナの人道支援コミュニティは、緊張が続けば人道支援の必要性が劇的に増加する可能性があると警告しています。ウクライナ東部での武力紛争が9年目を迎え、境界線の両側に住む290万人が依然として人道支援を緊急に必要としている一方で、人道危機対応計画には大幅な資金不足が続き、2022年2月18日現在、必要資金1億9千万米ドルのうちわずか4%しか充足されていません。現在の情勢は、国際社会が影響を受けた人々によりいっそう関わり、彼らと連帯することを求めています。これ以上の人的被害をもたらさないため、外交努力が、ウクライナ東部にすでに起きている衝突の激化に勝るべきです。


署名団体:
ACTED (Agency for Technical Cooperation and Development)
Danish Refugee Council (DRC)
Save the Children
Médecins du Monde Spain
Médecins du Monde Germany
NORWEGIAN REFUGEE COUNCIL (NRC)
PEOPLE IN NEED
HelpAge International
Charity Foundation Stabilization Support Services (CF SSS)
REACH Informing more effective humanitarian action



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*本プレスリリースは”JOINT I/NGO STATEMENT ON RECENT EVENTS IN UKRAINE”を訳したものです。翻訳の正確さに責任を負いません。
原文:Joint INGO Statement on Recent Events in Ukraine

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