©David Brunetti
シリアは紛争によって、今までで、10万人以上の命が犠牲となり、数えきれない負傷者を生み、4万人の国内避難民、1.8万人の難民が発生しています。世界の医療団の協力団体の一つであるUnion des Organisations Syriennes de Secours Médicaux(UOSSM)によると、8月21日の攻撃による死亡者数は1506名に上ります。ただし、この数値は依然暫定的であり、今後も増加していくものとみられています。
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シリアからの難民支援を周辺国で行っていた世界の医療団のスタッフは、9箇所の医療施設で50名が従事しており、2012年10月からシリア国内でプライマリヘルスケアを直接行う活動を行ってきました。また、シリアでの民間人との接触は日を追うごとに難しくなっているため、現地ネットワークの支援も行っています。このネットワークは常に活発に活動しており、現在7団体が参加しています。戦闘地域で医療行為を行っているこれらの団体を介すことにより、世界の医療団は1年で支援額、支援物資の量を3倍まで増強することができました。
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世界の医療団はUOSSMや他のパートナー団体に対し、21日の攻撃以降、薬品「アトロピン」(サリン等の有機リン剤中毒等の治療にも用いられる)を提供し続けています。ラフィク・ビドゥイ医師(世界の医療団シリア医療責任者)は、「アトロピンの需要が高まっています。化学兵器による攻撃が再び行われた場合に備えるためだ」と語っています。今後は、あらゆる状況の悪化に対応する準備を整える為、緊急医療支援物資(プライマリヘルスケアキット、外科物品、感染症予防物品など)を調達し、必要な場合は速やかに支援を状況する用意をして参ります。
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<お問い合わせ先>
報道関係の方: 世界の医療団 広報:片岡英彦
メール:kataoka@mdm.or.jp 電話:03-3585-6436