ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート2

保健センター・郡病院への水道設備導入・改善による衛生状態の向上

ラオス小児医療プロジェクト:現地活動レポート2 
絶えず注意を促してもなお、医療施設のスタッフになかなか馴染まないのが「手洗い習慣」。手洗いは水と石鹸があれば誰にでもできる感染症予防の基本対策のひとつ。しかし、家庭で手を洗うことが定着しておらず、手を洗う環境が必ずしも整備されていない日常では、出勤した時だけ手を洗おうと言っても確かに難しいかもしれない。

一方、医療施設には物理的な問題もあった。各保健センターには建物から数メートル離れた敷地内に手動くみ上げ式井戸があるが、屋内には蛇口とシンクがあったりなかったり。しかし、実は井戸と屋内の蛇口は繋がっておらず、建物内にある蛇口はひねっても水が出ない状態だった。

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さらに、2013年1月、保健省がムラパモク郡・スクマ郡で導入(世界の医療団 日本の支援により実現)した5歳未満児の無料化政策が浸透し、保健センターや郡病院により多くの子どもたちがやってくるようになれば、ますます医療機関における衛生管理が重要になってくる。

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そこで、このプロジェクトでは設備面と教育面の両方からこの問題にアプローチを開始。2012年末より各施設で水道設備の現状アセスメントに着手。井戸を電動のくみ上げ式に改修、水タンク・パイプ・蛇口の設置を各施設の状況に応じて設計。2013年1月末までに対象12施設のうち3カ所で工事が完了している。

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同時に、2013年3月に行った小児医療トレーニングでは、手洗い方法と手洗いの意義について復習をとりいれた。

それまでになかった習慣を普及していくことは簡単なことではない。県保健省担当者によると、教育省も学校保健教育を通じて子ども世代に学校での手洗い指導を取り入れ始めているという。地域社会・家庭・医療施設、あらゆる場面で行われる普及啓発が相乗効果をみせるのはいつのことだろうか。

わたしたちは、残り9カ所の医療施設の水道設備をすすめつつ、トレーニング後も各施設で手洗いが実践されているか、効果を検証していきたい。

プロジェクト担当
熊澤 幸子

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