世界の医療団2020年度活動報告会オンラインにて開催しました!

3月5日(金曜日)、平日の夜にもかかわらず、たくさんの方からのご参加をいただきました。ご参加いただいたみなさま、ご関心をお寄せくださったみなさま、ありがとうございました。ブレイクアウトセッションに入る際、振り分けにお時間いただいてしまったこと、お詫び申し上げます。

さて、当日は世界の医療団事務局長米良より、「いわき水害緊急支援」「スリランカ性と生殖に関する健康プロジェクト」そして2011年からの「福島そうそうプロジェクト」の3つのプロジェクトについて、活動を終えたことを改めて報告させていただきました。
また、手術を受ける機会のない人々への形成外科ミッション「スマイル作戦」については、新型コロナウイルス流行の影響でチームの渡航がかなわず、2020年のミッションはすべて中止となった旨ご報告させていただきました。
ロヒンギャ難民コミュニティ支援プロジェクトからは、コロナ禍でのバングラデシュの難民キャンプとホストコミュニティであるコックスバザール周辺での活動について ― 感染症予防や健康は権利であることを認識してもらい、習慣や文化・宗教的背景からの考え方の違いを汲みながら、当事者であるロヒンギャや現地パートナー団体との活動をお伝えしました。また、現在も様々な外交情勢や政治的思惑、そして帰還やミャンマーからの脱出、ロヒンギャの人々が向き合う現実と情勢についてもお話させていただきました。
ハウジングファースト東京プロジェクトからは、ハウジングファースト東京プロジェクトの概要について、またコロナ禍での活動について詳細をお話させていただきました。月に2回の炊き出し医療生活相談会、毎週水曜日の夜回りで配布した感染症予防対策キットは7,000セット以上、医療相談での相談者数も年間で1,000人を超えています。炊き出しへ来る方が2020年後半から増え続けていることは、感染症流行拡大を受けて生活に困窮するひとの多さを物語っています。また医療相談では、発熱専用ブースを設置、歯科相談も行うようになりました。通常の身体に関する相談のほか、こころの相談も受けており専門家が時間をかけてお話を伺っています。こういった活動では健康への情報提供を行いながらも、福祉サービスへとつなぐ入口としての役割も担っています。
ラオス小児医療強化プロジェクト - 5歳未満児の死亡率が高い理由のひとつに、治療可能な下痢や感染症でなくなってしまうこと、山岳地帯である活動地ラオス北部のフアパン県ではもともと医療施設も医療者も少なく、医療システム自体が整っていない現状があります。現地医療者へのトレーニング、必須医療機器などの提供、そして村の住民への健康教育などを通じ、子どもの死亡率を下げるためのラオスの人々との協働プロジェクトです。ラオス行政機関とも協働し、ラオスの人々が中心となって活動しています。


活動報告会
ラオス小児医療強化プロジェクト

最後に、スペシャルトーク「もう終わりにしよう、ワクチンが受けられる人と受けられない人がいる世界」として、アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表 内田 聖子氏をお招きし、 米良とともに新型コロナウイルスのワクチンを巡る世界の動きと現状についてお話させていただきました。WTO(世界貿易機関)TRIPs協定に対する、インドと南アフリカによるCOVID-19ワクチンに知的財産権の義務の一時的免除の提案について - ワクチン開発を手掛けた国々や先進国とされる国々のワクチンの独占の潮流が公平な医療アクセスへの妨げになっています。WHOを始めとした国連機関や国際社会が人道的観点から、協定の一時免除への提案について賛同する動きについて、お話いただきました。
#NoCovidMonopolies #すべての人が安全になるまで、誰もが安全ではない!


活動報告会
スペシャルトーク「もう終わりにしよう、ワクチンが受けられる人と受けられない人がいる世界」

その後ブレイクアウトセッションとして、各テーマやプロジェクトに分かれ、発表者への質問を投げかけていただき、またいろんな声や意見を共有し合う時間と場をもちました。終了間際まで続き、世界の医療団のスタッフも大きな気付きをいただきました。

今年もコロナ禍での活動が続きます。私たちの活動は、住民、地域の人々の健康のためにあるもの、常に地域やボランティア、利用者、相談者の方との対話を欠かさず活動を続けていきます。


世界の医療団オンライン活動報告会

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