©Kazuo Koishi

2月13日の地震は東日本大震災の余震との報を受けて:多くの方々に知ってほしいこと

今回の地震あの数分をどのように過ごしたのか、不安で怖くて、そして2011年のあの日の記憶をきっと鮮明に思い起こさせたのかと思うと言葉がありません。今もきっと不安な思いで過ごされていることと思います。地域の行政機関や地域の支援にかかわる人たちも、2011年、そして今回も被災され、使命感と疲労感と闘われてきた方ばかりです。
あたたかく、まずは安全で安心できる場所と環境を確保できるよう、中央行政には地域行政機関への支援とその対応を最優先に取り組むことを要請します。

2021年2月13日の23時過ぎに福島沖を震源とする大きな地震が発生しました。
被害にあわれたみなさまに、こころよりお見舞い申し上げます。
今回揺れが大きかった地域でもある福島県沿岸部の相双地区は、昨年まで私たち世界の医療団がこころのケア活動をおこなっていた場所でもあります。東日本大震災からおおよそ10年、避難所で、仮設住宅で、帰還解除された地域で、精神科医療が崩壊した被災地で地域のパートナーと住民の方々と、ともに過ごしてきた場所でもあります。

今回の地震で震度が大きかった地域の多くは、2011年に発生した東日本大震災や福島第一原子力発電所事故の影響を受け住んでいた場所を追われ、避難地域の対象となりました。段階的に避難指示が解除されましたが、震災から10年目となる現在も震災以前の街には戻っていません。避難指示解除直後は帰還率一割にも満たない地域もありました。復興工事や除染土を運ぶトラックだけが道路を走り、人が少ない街で解体を待つ家々を見てきました。若い世代や子どもがいる家庭は避難先へと移転された方も多く、避難指示解除地域は、特に高齢者が多い地域です。復興公営住宅は独居の方も多い。復興へと箱がどんどん変わっていっても、あの日から背負い続けてきたトラウマや苦しみを完全に癒すまでは、まだ長い長い年月がかかるのではないか、そういう時期でもありました。

今回の地震あの数分をどのように過ごしたのか、不安で怖くて、そして2011年のあの日の記憶をきっと鮮明に思い起こさせたのかと思うと言葉がありません。今もきっと不安な思いで過ごされていることと思います。地域の行政機関や地域の支援にかかわる人たちも、2011年、そして今回も被災され、使命感や疲労感と闘われてきた方ばかりです。

あたたかく、まずは安全で安心できる場所と環境を確保できるよう、中央行政には地域行政機関への支援とその対応を最優先に取り組むことを要請します。

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