2020年4月の緊急事態宣言の発令以降、世界の医療団ハウジングファースト東京プロジェクトでは、新型コロナウイルスの感染予防と情報提供、こころのケアに重点を置いて活動を続けてきました。
2020年10月末から、徐々に炊き出しの配食に並ぶ方が増えており、また生活相談件数も増え続けています。2021年に入り、寒さや悪天候にも関わらず炊き出し相談会を訪れる人は昨年の約2倍を数える程になりました。1月9日には、コロナ禍において初めて300人を越えました。都内の炊き出し支援活動の現場でも同じような現象が見られ、2008年のリーマンブラザーズ危機以上だとの声も聞こえてきます。
©Kazuo Koishi
また、医療相談会では、幸いこれまで新型コロナウイルスが強く疑われるような相談はないのですが、一方でこころに関する相談が増えています。
毎回10名以上の方が医療班のボランティアとして参加、それぞれが、相談者の声にじっくりと耳を傾けてくれています。
新型コロナウイルスの感染拡大は、社会に様々な課題と挑戦を突きつけてきました。コロナ危機以前から、路上やネットカフェで不安定な生活を送る方がいたにも関わらず、必要な支援が届かず、社会からも政治からも見過ごされている現状がありました。引き続き、これまで社会に届くことのなかった人たちの声になり、福祉行政に届けていきたいと思います。そして一人でも多くの方が安心できる住まいを得られるよう、今後も出会いつながる活動を続けてまいります。
ハウジングファースト東京プロジェクト
プロジェクト・コーディネーター 武石 晶子
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