スマイル作戦(マダガスカル2012)活動報告 

スマイル作戦(マダガスカル2012)活動報告 
毎年この季節に行われるマダガスカルでのスマイル作戦、今回は形成外科医が4人参加し大所帯のミッションとなった。病院に到着すると、現地のニボ医師によって選出された手術対象患者が大勢待っており1日かけて診察が行われた。診察では今回の手術患者だけでなく、昨年手術を受けた患者のフォローアップも行う。術後の結果に喜びと安堵の表情の医師達と嬉しそうな患者達。こういう結果に向かうべく、初日の診察は術式や麻酔についてメンバー内で丁寧にこなされた。

スマイル作戦(マダガスカル2012)活動報告 
最優先は口蓋裂の手術で、10歳未満の口蓋裂患者が症例の大半を占めた。口蓋裂は言葉を覚える幼小期に手術することで発音への影響を最小限に抑えることが出来るが、現地医師や他団体ではその手術が困難なため、年に数回赴く世界の医療団のメンバーに託されている。

今回は広範囲に熱傷を負った患者が3人おり、それぞれ植皮術を行った。頸・胸部の熱傷瘢痕のため下顎と頸部がつながっている状態であった。首を動かしたり口を閉じたりすることができないため日常生活においては言葉や食事に大きく影響し、全身麻酔をかける時も困難を極めた。経験豊富なフランス人の麻酔科医によって速やかに麻酔がかけられ、それと同時に形成外科医は手術を始める。「もとの機能が回復するように、そして綺麗に」という想いで全員が阿吽の呼吸で患者に向かった。

スマイル作戦(マダガスカル2012)活動報告 
熱傷瘢痕は広範囲のため一度に全てを手術できない場合も多く、段階をつけて計画的に行われる。3人のうちの1人で、昨年熱傷瘢痕で口唇の手術を受けたSabrina(女性)は、「来年も手術を」という希望通り、今回は頸部の植皮術を受けることができた。

Arsene(男性)は頸から胸部、腋窩に及ぶ広い熱傷であったが今年は優先度の高い頸部の手術が行われた。彼は両方の上腕が胸部についてしまっているため肘から上をあげることができない。「来年は”手”ね!」と医師が言うと期待に満ちた笑顔で応えてくれた。こうして少しずつ機能と笑顔を取り戻していく姿をみると、スマイル作戦がある意味というのを強く感じる。来年のフォローアップで彼らに会うのが楽しみだ。

スマイル作戦(マダガスカル2012)活動報告 
手術日数5日間で、口蓋裂18件/口唇裂12件/熱傷3件/その他3件の計36件の手術を行った。患者との出会いは一期一会。そう思うからこそ限られた時間で一人でも多くの患者に手術のチャンスを得て欲しいという気持ちで向かい合っている。

看護師 石原恵

※写真キャプション(1)(2)

今年のMadagascarでのスマイル作戦のテーマは”チャレンジ”でした。難しい手術をできるだけ多く、早く、安全に(もちろん結果も良好に)仕上げるか。対象は口蓋裂と頸部周囲のやけどによる引き連れです。チームは二手に分かれて同時進行で行います。
朝から晩まで手術室に閉じ込められますがみんな泣き言なぞいいません。

※写真キャプション(3)

手術がおわり最後の日に患者さんのチェックをします。今回も無事に終了しました。記念写真は日本MdMのパネルを持って。

※写真キャプション(4)

手術を終えて。完璧な受け入れ態勢でチームを迎える現地のニボ医師と石原看護師。


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