東日本大震災:福島そうそうプロジェクト現地医療活動レポート1

プロジェクトの活動エリアである福島県相双地区(南相馬市、相馬市、新地町)には、沿岸部での津波被害により避難された住民、福島第一原子力発電所事故の影響で警戒区域・避難区域に指定され、避難を余儀なくされた住民が暮らされている仮設住宅が多く存在する。

東日本大震災:福島そうそうプロジェクト現地医療活動レポート1
仮設住宅の数は南相馬市で2,675戸、相馬市で1,505戸、新地町で573戸(いづれも2012年4月9日現在)。
今回は、この仮設住宅や集会所を訪問するなどして、予防的な健康相談・指導に当たる「相馬広域こころのケアセンターなごみ」の活動支援にこの3月より世界の医療団から派遣している看護師の1日レポートをお届けします。

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今日は「ちょっとここで一息の会」が開催される新地町の仮設住宅(雁(がん)小屋(こや))を訪問。
「ちょっとここで一息の会」は仮設住宅の中にある集会所で定期的に開催され、お茶を飲みながら、参加された住民の方々のお話しを傾聴し、悩みや喜びを共有することが基本の活動です。

震災からちょうど1年という3月だった為か、震災当日の生々しい話しが会話の中に目立ました。1年経った今でも変わらない鮮明な震災の記憶ですが、1年という月日により復興に向けた個人個人のペースの違いが明確になってきており、他人と比較することで不安になり、自分だけ置いていかれるという孤独感を感じているようです。

そのような方々にもフォーカスをあて、自分のペースでよい、ゆっくりでいい、復興に向け頑張り続けなくていいと、伝えいく、そんな支援の重要性を感じました。また、雁(がん)小屋(こや)の入居が始まってから半年以上経っていますが、元の居住地がバラバラなためか、コミュニティが確立されていないことに驚かされました。「一息の会」が、仮設で暮らさざるを得ない人々が横につながれる機会となれるような場にする必要があるのではないかと思います。

帰路の途中、すれ違った住人の方に「あぁ、集会所に来ている人たちだね」と声をかけられました。こころのケアチーム活動もすこしずつ定着してきている様子です。

現在、健康で特にフォローの対象となりえない方々にとっても、毎週・毎月来てくれる人々がいるというだけでも、小さな心の支えになっていると思われました。

看護師 神山友里

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