地震、津波、そしてそれに続く火災により東日本太平洋岸の広い範囲が壊滅状態となってから間もなく4カ月が経過しようとしています。
世界の医療団が「こころのケア」チームを派遣している大槌町では、この間、うず高く積まれた瓦礫が続々と運び出され、穴だらけだったアスファルトも少しずつ舗装されるようになりました。2階まで完全に浸水し、建物が全く使えなくなってしまった県立大槌病院は、6月末、当面の拠点となるノルウェー製の大型のプレハブが完成し、診察を開始しました。2000戸を超える仮設住宅は、連日の突貫工事を経て7月末までにはすべて完成し、希望する住民の全てが入居できることになっています。また、最期まで陣頭指揮をとり命を落とすこととなった前町長の後を継ぐ新たな町長の選挙が8月の半ばに行われます。
4月から避難所を中心に巡回してきましたが、今後は仮設住宅へと移動した方々を訪問するかたわら、大槌町や釜石保健所との協力のもと「被災ストレス相談所」を設置することとなりました。
大槌の美しい海岸沿いに植えられた松林の一部は根こそぎさらわれてしまいました。しかし、被災地の人々の復興への力は奪われてはいません。”当たり前の生活”を取り戻すため、被災地の人々は一歩、一歩、前へと歩を進めています。
「彼らのために私たちができることはなんだろう」
この問いをいつも胸に、今日も世界の医療団の「こころのケア」チームが大槌町で活動しています。活動の継続の決定を受け、被災地の日一日と変化するニーズをしっかりと見極め、できる限り有効な支援を行うことを改めてここにお約束します。