アビジャン(コートジボワールの首都)の大部分の地域に一時的な鎮静が訪れる中、ヨプゴン地域(アビジャン西部)ではいまだ戦闘が続いている。中にはすでに避難した住民もいるが、150万人以上の人が、この地域での不安定な生活を余儀なくされている。食糧・水を入手することも難しい状態だ。今後雨季のシーズンの到来によってマラリアの蔓延が懸念される中、世界の医療団は医療サービスが不足するのではないかと危惧している。というのも、ヨプゴン地域で基礎的な医療を提供している医療施設15のうち、4つの施設しか開いていないという状況があるからだ。
一方、一国全体の危機的な状況に直面し、コートジボワールの大統領は、今後6週間の間、医療サービスの無料化を実施するための政令を発布した。しかし、この国の医療セクターは崩壊し、公的な医療センターも、スタッフの給与を払ったり医療品を十分に提供したりするための余裕はない。
こうした状況をうけて、世界の医療団は基礎的な医療を現地で提供することによって、医療機関をサポートするための対策を講じている。特に、ヨプゴン・アテクベ、ウィランスヴィルの3つの地域で、母子の健康維持のための医療サービスを中心に提供しており、現地の23の基礎医療を提供している施設と、1つの精神科病院と連携している。
以上のように、必要物資の供給や医療スタッフの配置を通して、世界の医療団チームは医療施設を元の状態へと回復するための活動している。また、治安状況の回復とともに、現地のスタッフが医療行為を実施できるようにするための、戦闘によって壊された設備に代わる新しい備品の提供も行っている。