バングラデシュでは、2009年から首都ダッカの郊外で年に2回の「スマイル作戦」を行っています。来る2月25日からバングラデシュで5回目、2011年1回目の活動が行われます。今回は日本から医療ボランティア4名、非医療ボランティア1名、フランスから医療ボランティア2名が参加します。
前回に引き続き、活動の質的な評価も試みます。術前術後の患者の元を訪れ、生活状況とそこに現れた変化の観察や本人や周囲の人々へのインタビューなどを通し、「スマイル作戦」が、患者とその家族にどの程度のインパクトを与えることができたのかを測ります。また、活動に協力する現地スタッフや熱心に見学する若い医師や医学生たちへのヒヤリングを行い、活動の大切な柱の一つである技術の伝達、育成という側面についての成果や課題の把握に努めます。活動の質を維持、向上させるために、このような振り返りと考察は欠かすことはできません。
今回、前回までに診察を受け、手術が必要であるにも関わらず既にスケジュールが一杯で手術を受けることができずにいた20名以上の患者がチームの到着を今を遅しと待っています。加えて、新聞の広告、街中で配付されるチラシなどを見て、または口コミで、いつもと同じように多くの患者がやってくることが予測されています。そして、医療チームはいつもと同じように持てる技術を可能な限り注ぎ、一人でも多くの手術を行えるように専心はげみます。
こうした活動の継続が可能になるのは、継続したご支援を頂いているからにほかなりません。寄せられる温かなご支援に感謝するとともに、バングラデシュで活動するボランティアへの応援をお願いいたします。
帰国後、活動内容を本サイトにて報告致します。
【スマイル作戦 バングラデシュ】
活動地域: ダッカ郊外
日程: 2011年2月25日(金) ~ 3月3日(木)
派遣ボランティア: 与座聡、山田信幸、大浦紀彦(形成外科医)、
原田昌子(看護師)、原田麻穂(コーディネーター)
ナディア・スマイル、フランソワ・ゴシア(麻酔科医)
スマイル作戦とは…
形成外科プロジェクトです。先天性、戦争や事故による外傷、病気などが原因で顔面や身体に著しい損傷を負いながらも、手術を受けることができずにいる人々は世界中に数多くいます。そして、その外見ゆえの機能的な不具合だけでなく、社会的な差別を受け、過酷な日々を余儀なくされています。世界の医療団は優れた技術を持つ日本やフランスなどの医療ボランティアを派遣し、こうした患者たちに必要な手術を施しています。
手術を受け「笑顔」を取り戻してもらうこと、人間としての尊厳と誇りを回復し、社会へ溶け込んでもらうことを目指しています。また、現地の人材に技術を移転し、近い将来、彼らが独力で手術ができるように育成することも、もう一つの大切な目的です。