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ハイチ:復興のため、国連と加盟国は約束した資金拠出を!

2010年1月12日の大地震以来、国外から寄せられる支援がハイチ国民の生活を支えています。国内外から動員された緊急支援チームが住民からのニーズに応えてはいるものの、被災者の生活は今も極めて不安定な状態です。
一方、復興という課題においては、国連と加盟国は二の足を踏むばかりで、これだけ切望されているにも関わらず、遅々として進んでいないのです。

ハイチ:復興のため、国連と加盟国は約束した資金拠出を!

Photo:Lahcene Abib


国連と加盟国は約束した資金を今こそ拠出するべき


この一年間で世界中からハイチの震災支援のために集められた寄付の総額は30億ドル。その大半は民間から寄せられました。これらが今日も続く大規模な人道支援活動を可能にしています。しかしながら、被災地での生き残りをかけた生活は依然として極めて危うく、ハイチ国民はもう何か月も悲惨な思い、フラストレーション、失望を募らせ続けています。このため、選挙を前にし、一触即発の雰囲気が漂う今、時に辛らつな批判が国連と加盟国だけでなく、人道支援組織にまで向けられることは想定されうることだと言えます。

しかし、批判の対象になっているとはいえ国内外から動員された緊急支援チームは急性期のニーズに応えてきました。一方で国連、加盟国は復興に関して未だに腰が重い状態です。2010年3月、ニューヨークの国連本部で行われたハイチ支援国会合で拠出が約束された100億ドルのうち、現在までの実際の拠出は数百万ドルに留まっているのです。

大地震から一年、ハイチにおける課題は必要な支援の継続はもとより、切望しながらも一向に進まない復興にこそあります。もし復興に向けたこれらの約束が履行されなければ、ハイチは別の地殻変動、つまり経済的、社会的、そして政治的な打撃を受ける危機にさらされているのです。


大地震から一年、保健衛生をとりまく支援


大地震は、ただでさえ脆弱でひずみの多かったハイチの保健システムを土台から崩壊させました。未曾有の危機に対応するため、ハイチ保健省は臨時の再建計画を立てました。しかしながら、一年を経た今もその努力にも関わらず、計画は遅々として進んでいません。医療的なニーズに応えること、加えて新たなコレラ危機への対処も、今は主にNGOが担っています。国連や加盟諸国からの資金を受けることができないまま、ハイチ政府は機能不全に陥り、自らの再建も、持続可能な保健システムの再構築に着手することも難しい状態なのです。


世界の医療団のハイチ大地震の被災者への支援


コレラ感染者の治療、一般およびリプロダクティブヘルスに関する診察、予防接種、栄養失調に関する検診、女性と子どもの特別なフォローアップ、暴力による被害者のケアおよび心理的なトラウマを持つ人々のフォローアップ・・・
震災から1年、このような多岐に亘る医療分野へのアクセスを世界の医療団の緊急支援チームは提供し続けています。


数字でみる活動状況


・震災から1年の総診察件数580,000件、うち外科的処置800件。

・毎週平均の診察件数9250件、うち20%が5歳未満の乳幼児、12%が妊産婦。

・コレラ対策: 40~50床の入院設備のある「コレラ治療センター」を5箇所で、経口および点滴による水分補給を行う「コレラ治療ユニット」を11箇所で運営。

・4つの活動地域: ポルトープランス、プティゴアヴとグランゴアヴ、グランダンス、ニップ。

ポルトープランス
避難所および貧困地域で8つのテントクリニックを運営。シテ・ソレイユ地域では4つのバイルクリニックチームを組織し、16か所に派遣。

プティゴアヴとグランゴアブ
プティゴアヴ病院と10の診療所を支援。

グランダンス
ジェレミー病院と11の診療所を支援。

・世界の医療団のスタッフ: 1268名でそのうち95%は現地スタッフ。

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